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ケーブル・テレビ・チャンネルのtvNドラマ「シグナル」に脚本家のアシスタントして参加した元プロファイラー(犯罪心理分析官)キム・ユンヒさん(37)と、tvN「笛吹き男」の指導を担当した警察大学のイ・ジョンファ教授(53)にインタビューし、ドラマでどのような役割を果たしたかについて聞いた。
○ディテールにこだわった元プロファイラー
「(ドラマの脚本を書いた)キム・ウンヒさんから多く受けた質問は、『このような状況が実際にあり得るのか』『蓋然性があるのか』ということでした」
「シグナル」の脚本家アシスタントを務めたキム・ユンヒさんは、警察として務めた8年中5年を、ソウル地方警察庁の犯罪分析要員として勤務した。2年前に警察を辞め、俳優と作家を目指していたキムさんは、専門家を求めていた「シグナル」制作チームに抜擢された。キムさんは、プロファイラーが実際どのように証拠を収集し行動するかを、脚本家に説明した。
「プロファイリングを通じて把握した犯罪者の特徴は社会性が低く、脅迫症状が見られる上、これを無くすために特定行動を繰り返すということでした。ドラマでコンビニエンスストアを常に整理整頓する、ホンウォン洞連鎖殺人事件の犯人ジンウ(イ・サンヨブ)というキャラクターも、これを土台に誕生しました」
ホンウォン洞事件のストーリー構成に、キムさんは大きく貢献した。キムさんはホンウォン洞事件のモチーフになった実際の事件「ソウル陽川区新亭洞(ヤンチョンク・シンジョンドン)連鎖殺人事件」をプロファイリングした経験がある。
犯人を追っていた刑事チャ・スヒョン(キム・ヘス)が、過去被害者が通った路地裏を徘徊するシーンも、これまでの刑事ドラマでは見られなかった演出だ。犯人の視点ではなく、被害者の視点から事件現場を見たのだ。
キムさんが考える刑事ドラマの在り方は、どのようなものだろうか。「これまでの韓国の刑事ドラマは、警察の視点からすると『ちょっと違うな』と思うような内容が多かったです。米国ドラマのような先端捜査手法や緻密な捜査などが紹介されれば、警察としても参考になると思います」
○ドラマに登場した交渉専門家
「警察が相手にする人は、たとえ犯人であってもまず助けが必要な人だと考えて、『危機者』と呼ばなければなりません。よくなだめすかすべきであって、取り調べのように硬い口調で責めたりしてははいけません」
刑事部・捜査一課を主に取り扱っていたこれまでのドラマとは違って、ドラマ「笛吹き男」は警察「危機交渉チーム」をテーマにした。聞きなれない分野に現実感を帯びさせるため、警察大学のイ・ジョンファ教授が加わった。イ教授は、米ニューヨーク市警察(NYPD)と連邦捜査局(FBI)で危機交渉課程を修了した専門家だ。イ教授は「事故は『危機者』の感情が高陽した状態を、しっかりコントロールできなかった場合に発生します」とした上で、「対話を通じて彼らの感情を慰めてこそ、問題を抜本的に解決することができます」と述べた。
イ教授はドラマの脚本を書いたリュ・ヨンジェさんに、警察大学に開設された「交渉講義」を受けるよう勧めた。イ教授はリュさんに「交渉官の口調はやさしくなければならない」とアドバイスした。このアドバイスを受けて誕生したキャラクターである交渉チームのヨ・ミョンハ警衛(チョ・ユンヒ)は、危機的な状況で相手の話を傾聴し、やさしい口調で事件を解決する。
イ教授が考える刑事ドラマの在り方は、どのようなものだろうか。「今年も自殺を企てた二人の『危機者』を交渉を通じて助けることができました。コミュニケーションが足りない時こそ、交渉は欠かせないものです。ドラマを通じて警察だけでなく、多くの方に危機交渉の重要性に気づいていただきたいと思います」。
김배중기자 キム・ベジュン記者 wanted@donga.com