百済の蓋鹵(ケロ)王が囲碁に夢中だという噂を聞いた高句麗の長寿(チャンス)王は、トリム和尚を百済に送る。囲碁で蓋鹵王に近づいたトリムは、大規模な土木工事を起こすよう煽る。そのため、百姓が窮乏になった隙を狙って、長寿王は475年、百済を攻撃し、蓋鹵は逃げる途中で殺される。三国史記のこの記録は、囲碁の魅力は国力が衰えるほど致命的であることを示している。
◆政治家の中では、とりわけ囲碁が好きな人たちが多い。李承晩(イ・スンマン)元大統領は名誉9段、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は名誉8段だ。金鍾泌(キム・ジョンピル)元首相は、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領と5.16軍事クーデターを起こした当時、露出を避けるために、ソウル南營洞(ナムヨンドン)周辺の棋院に通いながら心を静めた。自分の号から取った雲庭杯囲碁大会を作るほど囲碁に夢中だった氏は、日本自由党の小沢一郎党首との囲碁対決で、盤上外交も繰り広げた。
◆現役政治家中の最高高段者は、アマチュア6段である与党セヌリ党の李仁濟(イ・インジェ)議員だ。アマチュア5段である元裕哲(ウォン・ユチョル)院内代表は、国会棋友会会長だが、曺薰鉉(チョ・フンヒョン)9段を比例代表に迎え入れたのは彼の作品だ。国民の党の安哲秀(アン・チョルス)代表の囲碁愛は有名だ。囲碁を学びたかった大学生の安哲秀は、囲碁関連書籍60冊を読破後、アマチュア10級の友人と対局したが、9目を置いても100目以上負けたという。理論と実践との冷酷なギャップを味わったことになる。アマチュア3段の実力派だが、安代表は、囲碁は時間を多く奪う趣味だということで辞めた。
◆李世乭(イ・セドル)とアルファ碁との初対局が行われた9日、院内代表や朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長など多くの政治家が対局会場を訪れた。アルファ碁の初勝利に、「公認管理委員長を任せばいい」という声まで出ている。囲碁と政治は、手読みの戦いという側面で似ている点が多い。布石や秒読み、駄目詰まり、長考の末の悪手など、政治記事で使う多くの言葉は、囲碁から借りてきたものだ。相手は被害が大きいのに自分はあまり被害がないことを意味する花見劫も、囲碁から由来している。囲碁の道は勝敗にあらず、共栄にある。我が政治圏で最も必要な精神が囲碁に盛り込まれている。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






