1990年代前半、バブル経済崩壊後、日本列島には「ディスカウント」のブームが起きた。不動産価格が暴落し、資産や賃金所得が減ったことで、消費者たちはより安価のものが探し求めた。「価格破壊」が時代の流行語になった。当時の新聞には、大阪のたばこ小売業者がタバコ1カートンに缶ビール1本をおまけに提供したところ、普段の10倍以上の売り上げを上げたとか、紳士服チェーン店で、1人当たり1着を限度に80〜90%割引して2500円で背広を販売したところ、飛ぶように売れたというような記事であふれた。スーパーや飲食店、飲み屋や引越し業者も、できるだけコストや収益を減らして、価格破壊のブームに参加した。
1990年代の半ばが過ぎて、消費トレンドもやや変わった。価格が安ければ財布のひもを緩めていた消費者たちが、「質」を求め始めたのだ。無理をして自分の骨ばかり削っていた企業は倒産し、「持続可能な低価格商品」だけが生き残る時代に突入した。
日本マクドナルドは1998年7月、当時130円だったハンバーガー価格を65円に値下げした。つぶれる気なのかという批判が殺到したが、2か月間の実験後、蓋を開けてみると、その結果は驚くべきものだった。半値で出したハンバーガーが前年同期比9.6倍も売れたのだ。「薄利多売」の戦略が功を奏したのだ。半値ハンバーガーはいわば目玉商品でもあった。ハンバーガーを買えば、その大半は飲み物やフライドポテトまで一緒に注文するので、利益を手にすることができた。
価格破壊に踏み切ったのに、生き残った企業はこのほかも少なくない。100円ショップやユニクロ、低価格牛丼チェーンの吉野家、1000円美容室などは、日本の長期不況が生んだヒット企業だ。彼らは高価な製品の価値に劣らない低価格商品だと主張して、「低価格実力派」商品だと呼んだ。マーケティング専門家らは、原価圧縮、原料や資材の国際調達、コスト削減、目玉商品のマーケティング、消費者の立場での価格設定を、低価格実力派商品の条件として取り上げた。
20数年が経った今、価格破壊に生き残った複数の企業は依然、盛業中だ。マクドナルドの現在のハンバーガー価格は100円、ザ・ダイソーの100円ショップも相変わらず盛んにやっている。1000円美容室も複数のチェーン店がある。ユニクロは世界に進出して、低価格衣類市場を総なめしている。
日本政府は、アベノミクスの推進後、企業業績や株価、雇用などの主要金融実物指標が好転し、緩やかな回復ぶりを見せていると自評している。しかし、日本人の消費はあまり変わっていない。家計所得増加率は微々たるものであり、日本人ならではの節約志向消費が、民間消費の回復を抑えているからだ。
生産可能人口は減り、高齢者は増えつつある人口の構造的問題も影響を及ぼしているというのが、専門家らの指摘だ。資産が消費性向の低い高齢層に集中している現状も、問題を悪化させる要因となっている。2015年基準で65歳以上の高齢者は、全体人口の26.8%だが、日本の家計金融資産は、60歳以上の高齢者が68.2%を持っている。長期不況から脱却しようともがいている超高齢社会の日本が抜け出さなければならない、もう一つの落とし穴だ。
도쿄=서영아특파원 東京=ソ・ヨンア特派員 sya@donga.com






