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ソウル大公園の動物園でチーター1頭が脱出、その後の安全措置は?

ソウル大公園の動物園でチーター1頭が脱出、その後の安全措置は?

Posted October. 22, 2015 07:27,   

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今年のこどもの日(5月5日)の前日、京畿果川市(キョンギ・グァチョンシ)のソウル大公園の動物園から、チーター1頭がフェンスを飛び越えて、放し飼いの場所から脱出したことが、後になって分かった。幸い、チーターは堀に落ちたので、観覧客を襲う不祥事には至らなかった。しかし、危険極まりない事故が発生してから5か月以上が過ぎても、柵の交換など、安全措置は全くとられていない。

21日、ソウル大公園によると、5月4日午後3時ごろ、チーター1頭が放し飼い場の柵(高さ2メートル)を飛び越えて脱出した。チーターは、放し飼い場と観覧客との間に設けられていた堀(高さ3メートル)に落ちた。驚いた観覧客らは動物園側に通報し、飼育士が撃った麻酔銃に打たれたチーターは午後5時40分ごろ、内室に運ばれた。問題のチーターは昨年11月末、南アフリカから取り寄せた3歳の雄雌一組のうち雌だ。冬の間中内室にいた「新人チーター」たちは、5月1日から屋外の放し飼い場への適応に乗り出したが、わずか3日後に雌のほうが、柵を飛び越えたのだ。

チーターが、放し飼い場から脱出した出来事は、動物園オープン後初めてのこと。戸惑った大公園側は緊急点検に乗り出し、「柵が古くて破損の懸念がある上、高さが低くて脱出の危険性があるので、取り替えが急がれている」という診断を下した。これを受け、大公園側は6月末、柵の取り換え計画を立てた。新たに設置を決めた柵は、高さが2メートルの従来のものと同じだが、上段と下段に電気柵を追加した。放し飼い場の内側に傾く傾斜柵も、別途設置することにした。

しかし20日、東亜(トンア)日報の記者が訪れたチーターの放し飼い場は依然、事故当時の柵のままだった。柵のいたるところからネジが無くなっており、一部は歪んでいた。大事に至りかねなかった事故後も、何ら措置が取られない状態で、6か月間も観覧客を迎えてきたのだ。大公園側は、「柵の交換に必要な予算1億2000万ウォンを工面できなかった。予算が反映される来年の年明けに工事を開始する予定だ」と釈明した。しかし、大公園側は、チーター脱出事故はもとより、柵の交換計画もソウル市に報告していなかった。

柵の交換が遅れ、現在、大公園側は事故を起こした雌を始め、チーター1組を、内室にばかり止まらせている。その代り、10歳のチーターは、引き続き放し飼い場に放されている。大公園の内外からは、「最後の砦」と言われている堀の安全性を巡り、疑問の声が持ち上がっている。大公園側は、正確な堀の深さすら知らなかったが、東亜日報の取材が始まると、いそいそと実測に乗り出し、深さが3メートルだと明らかにした。しかし、堀の底は平らではなく、ところによっては1メートル以上も差がある。大公園側は、「チーターのジャンプ能力は2メートルなので、堀を超えることはできない」と説明したが、これも同様に正確な分析がなく、理論上の内容を言及したに過ぎない。

大公園の関係者は、「10歳のチーターは8年間、動物園で暮らしてきたが、一度も柵を飛び越えたことがない」とし、「1984年の動物園オープン時に、各動物の運動能力を考慮して、堀などを設置したため、安全に問題はない」と明らかにした。これに先立って、ソウル大公園では、2013年、檻から逃げた虎から攻撃を受けて飼育士が死亡し、2010年は、マレーグマ「ちび」が、鋻溪山(チョンゲサン)に逃げたが、9日後に生け捕りされた。