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[社説]「姜在求精神」が生きている軍に希望を見る

[社説]「姜在求精神」が生きている軍に希望を見る

Posted February. 04, 2015 07:14,   

陸軍第22師団の一般前哨(GOP)で銃を乱射し手榴弾を投げ、将兵5人を殺害し7人を負傷させた容疑で起訴されたイム兵長(23)が3日、1審で法廷最高刑の死刑判決を言い渡された。昨年、イム兵長事件とユン一等兵暴行死亡事件が起きると、軍は「今回が最後の機会」として兵営革新委員会を発足させ、兵営文化の改善に乗り出した。しかし、陸軍将軍と高位指揮官が関与した性犯罪や軍需産業不正が続き、軍のイメージは地に落ちている。

暗いニュースが絶えなかった軍から、勇気と責任感のある指揮官の美談が聞こえてきて喜ばしい。陸軍訓練所で訓練兵が誤って手榴弾を手から離すと、隣にいた小隊長が体をはって訓練兵を救ったという。忠清南道論山(チュンチョンナムド・ノンサン)の陸軍訓練所第29連隊第3教育隊の小隊長・キム・ヒョンス上士(32)は先月23日、ソン訓練兵と手榴弾教育場に行った。2人の間には高さ60センチの分離壁があった。ソン訓練兵は、手榴弾を前方に投げたが、手榴弾はキム上士の方に落ちて転がった。その瞬間、キム上士は反射的に分離壁を跳び越え、身長180センチ、体重75キロのソン訓練兵を外に引っ張り出し、覆いかぶさった。ほぼ同時に手榴弾が爆発したが、幸い2人は無事だった。

50年前、訓練兵が誤って投げた手榴弾の上に覆いかぶさって中隊員を助けて死亡した姜在求(カン・ジェグ)少佐を連想させる行動だ。姜少佐は1965年10月4日、ベトナム派兵を控えた猛虎部隊の手榴弾投下訓練中、兵士が不注意で落とした手榴弾に覆いかぶさり部隊員を救った。キム上士は、「手榴弾訓練の時、小隊長は常に訓練兵が手に持った手榴弾だけを見る。(手榴弾が訓練兵の)手から滑り落ちるのを見て、普段の訓練どおりに行動した」と話した。

手榴弾は安全弁を抜けば数秒で爆発するため、指揮官に犠牲精神がなければ、本能的に自分が助かろうするだろう。「学んだとおりにした」と話す謙虚なキム上士が際立って見える。黙々と祖国を守る多くの軍人のおかげで国民は安らかに床につき、生業を営むことができる。キム上士のような軍人が韓国軍組織で揺るぎない位置を占めていれば、国家安保で心配することはないだろう。