ロシアが、「ロシア版ウィキペディア」の制作に乗り出したと、ロイター通信が報じた。オンライン百科事典のウィキペディアだけでは、詳しくて信頼できるロシア関連情報を手にするのに限界があるからだという。
ロシア大統領図書館は14日、声明で、「代案になるウィキペディアの制作を開始した」とし、「そのため、全国27ヵ所の図書館に保管されている5万冊の本や文書がすでに、制作部署に引き渡された」と明らかにした。
代案ウィキペディアを作る理由については、「ウィキペディアについて分析した結果、ロシアでの生活や地域情報について、詳細かつ十分に提供していないことが明らかになった。国民がより詳しくて、信頼の置ける情報を手にできることを保障するためだ」と説明した。
これに先立って、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、インターネットを、「米中央情報局(CIA)の特別プロジェクトだ」と決め付けたことがある。ウクライナ事態で欧米諸国との関係が悪化の一途をたどることになると、クレムリン宮殿も同様に、「欧米の脅威から我々だけのオンライン領域を守りぬかなければならない」と主張してきた。
実際、ロシアは今年8月から、フォロワ数が3000人を超えるブロガーは、必ず関連規制当局に届出させるなど、ネットへの統制を強化している。ロイター通信は、「今回のプロジェクトが、ロシアのネットユーザーらのウィキペディアへのアクセスにどのような影響を及ぼすかについてはまだ知られていない」と伝えた。






