仁川市(インチョンシ)は10日、江華島(カンファド)の遺跡の一部をユネスコ世界遺産に登録する計画を再び推進することを明らかにした。江華には、青銅器時代の支石墓や高麗(コリョ)王陵、高麗の宮廷跡、朝鮮時代に外勢の侵入を阻止するために作られた城郭や高台など、先史時代から近代までの遺跡や遺物が散在している。
仁川市は、保存価値がある遺跡・遺物を選別し、文化財庁の審議を受けて、ユネスコ世界遺産の登録を推進し、住民の意見をまとめて事業推進の時期を決める。
また、江華地域の観光活性化に向けて、仁川の沿岸埠頭で遊覧船に乗って、外勢の侵略に対抗して戦った江華島の城郭や高台などを見て回る観光コースを開発する計画だ。
仁川市は昨年、江華高麗歴史財団を設立し、学術大会を2度開いた。さらに、高麗王陵などの遺跡をユネスコ世界文化遺産に登録する作業を推進したが、文化財の保存価値をめぐって各界の評価や意見が交錯したため、事業を延期した。さらに、財産権行使の制約を憂慮する住民の反発も障害になった。
仁川市の鞖国煥(ペ・グクファン)政務副市長は、「江華には高麗王朝の時代に作られた高麗王陵や高麗宮廷跡をはじめ、祭天施設である摩尼山(マニサン)、塹星壇(チャムソンダン)、国防遺跡など、保存価値の高い遺跡や遺物が多い。これらをユネスコ世界遺産に登録し、世界的な観光地に開発する」と意気込みを示した。江華島には、2011年基準で国家指定30点、仁川市指定77点、江華郡指定20点の指定文化財127点があり、非指定文化財まで合わせれば1000点以上の文化財が現存している。






