わが国の入試でも拡大しつつある社会的配慮者(社配者)選考の起源は、米大学が新入生の人種的多様性を高めるために採用した少数者優遇政策だ。1960年代、米国での黒人の平均的教育水準は、白人の3分の2に過ぎなかった。ローザ・パークスやマーティン・ルーサー・キングの差別撤廃運動が広まっていた時、米大学各校は、「不利な環境におかれた学生(disadvantaged students)」のための特別選考を導入した。バラク・オバマ大統領夫婦も、この選考の恩恵者だということは、公然たる秘密だ。
◆ソウル大学が05年に導入した地域均衡選抜は、国内の社配者選考の始まりとも言える。教育環境の落ちる地域の生徒らに、より多くの入学チャンスを与え、さまざまな社会的・経済的背景を持っている生徒らを受け入れ、社会統合に貢献するというのが目標だった。「学校のレベルを落とすことになる」と、多くの教授らが反対したこともあるが、今は、成功裏に定着したという評価を受けている。
◆中高校のうち、児童生徒の選抜権を持っている国際中学、特別目的高校、自律型私立高校も、社配者選考を実施している。ほかの児童生徒らには、一般中高校より多額の授業料を受け取る代わりに、この制度を通じて、一定比率の脆弱階層を受け入れ、奨学金も支給している。この選考に、社会指導層の子供らが合格して、物議をかもしている。今年1月、三星(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の息子が、泳熏(ヨンフン)国際中学に片親家庭選考で合格したのに続き、与党だったハンナラ党の田麗玉(チョン・ヨオク)元議員の息子が、自律型私立高校の長靛(チャンフン)高校の多子女家庭選考に合格した。13学年度の泳熏国際中学の非経済的社配者選考の合格生16人の両親の中には、医師(2人)、弁護士(1人)、事業家(3人)などが含まれている。
◆制度自体の問題も少なくない。非経済的社配者選考のうち、国家報勲対象者や民主化功労者、脱北者は問題ないが、片親や多子女選考は、矛盾だらけだ。片親家庭は、離婚や再婚が日常的なこととなっている外国では、配慮対象になり得ないうえ、子供を3人以上抱えている多子女家庭は、富裕層である可能性が高い。よい趣旨の制度が、異常な形で運営される背景には、深刻な貧富の格差が陣取っている。自律型私立高校の経済的社配者は、入試枠を満たせないケースが多い。貧困層の児童生徒らは疎外感を感じやすく、富裕層の児童生徒からいじめを受けることもありうるので、入学に二の足を踏んでいるからだ。我が社会の日陰が、社配者選考にも、そのまま差していることになる。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






