Go to contents

[社説]朴槿恵経済チーム、木を見て森を見ない「専門家の罠」を警戒せよ

[社説]朴槿恵経済チーム、木を見て森を見ない「専門家の罠」を警戒せよ

Posted February. 18, 2013 03:10,   

한국어

朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領が17日、経済副首相兼企画財政部長官など11省庁の長官候補を発表し、初の組閣を終えた。第1、2次の人選では、政務感覚が優れた陸軍士官学校出身や法曹関係者、官僚カードを出したが、経済省庁が中心となった今回の第3次人選では、該当分野の専門家グループを起用した。省庁の特性によって、「陸・法・公・専」の人事をあまねく布陣させた「朴槿恵人事スタイル」の完結版だ。

朴次期大統領は5年ぶりに復活する経済副首相兼企画財政部長官に玄旿錫(ヒョン・オソク)韓国開発研究院(KDI)院長(行政高試14期)を内定し、産業通商資源部長官には尹相直(ユン・サンジク)知識経済部第1次官を内部起用した。大胆な変化と革新よりも政権交代期の空白を避けるための安定志向的な人事とみえる。朴次期大統領が強調した創造経済のビジョンを実行に移す未来創造科学部長官に、ベンチャー企業家出身の金鍾勲(キム・ジョンフン)アルカテル・ルーセン・ベル研究所社長を起用した。側近の陳永(ジン・ヨン)セヌリ党議員を保健福祉部長官に重用し、福祉公約履行への強い意志も示した。農林水産畜産部長官、雇用部長官、海洋水産部長官、国土部長官に、国策研究院出身や学界の専門家を内定し、専門家型経済チームの陣容を整えた。

玄副首相内定者に対しては、実務と専門性を考慮した無難な人事という評価とともに、経済危機を克服する経済指令塔としてはカリスマと斬新性に欠ける「オールドボーイ」という否定的な評価もある。大統領府が政策を握って経済省庁に指示するなら副首相はいないも同然だ。朴次期大統領が「経済だけはあなたが大統領」と信じて任せてこそ、副首相の指示も通り、官僚社会も一方向に改革に邁進できる。未来創造科学部長官に内定した金鍾勲候補に対しては、10代の時に米国に渡ったため、韓国の事情や官僚文化に習熟していないうえ、最近韓国国籍を回復したことで論議が起こっている。

朴次期大統領は、経済チームの人選で能力と専門性を公職経験や名声よりも重視した。しかし、知っていることと実行することは別ものだ。専門家型リーダーが木を見て森を見ない「専門家の罠」に落ちないよう警戒しなければならない。長官が組織を初期に掌握できなければ、朴次期大統領が強調する「省庁間の壁の撤廃と融合的な思考」も水泡に帰すだろう。能力を強調したために、出身地域の多様性や女性人材の抜擢が不十分な点は残念だ。

大統領秘書室長と大統領府首席は今回発表されなかった。大統領を補佐し、円滑に国政を進めるには、大統領府補佐陣の人選も一刻を争う。大統領の就任が1週間後に迫っている。大統領府の人選も急ぎ、「準備のできた大統領」であることを示してもらいたい。