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[社説]金正恩が核実験を後悔するよう強力な制裁を

[社説]金正恩が核実験を後悔するよう強力な制裁を

Posted February. 13, 2013 03:39,   

政権初期の昨年5月、憲法に「核保有国」と明示した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、これを確認するかのように12日に3回目の核実験を強行した。昨年12月12日の長距離ミサイルの発射から2ヵ月が経った日に実験をしたことも見過ごせない。北朝鮮がいざという時にはミサイルに核兵器を搭載して実際に使用するための目的で挑発を続けているという結論を下さざるを得ない。20年前に始まった北朝鮮の核の脅威が現実のものとして差し迫ったのだ。

北朝鮮が1、2回目の実験のようにプルトニウム弾を爆破させたのか、新たに高濃縮ウランを使用したのか、まだ明らかになっていないが、爆発力は大きくなった。

国防部は、1回目の核実験の爆発力は1kt、2回目の核実験は2〜6kt規模だったが、今回は6〜7ktと推定されると明らかにした。1ktはTNT1000tに該当する途方もない威力だ。北朝鮮は、「小型化、軽量化された原子爆弾を使った」と発表した。北朝鮮が核弾頭の重さを1t以下にする技術を習得したのかどうか、国際社会の最大の関心事だ。北朝鮮が発射可能な核兵器を保有することになれば、韓国と北朝鮮の軍事力の均衡は一気に崩れる。

韓国軍がいくら在来式軍事力を拡充しても、核と長距離ミサイルを保有した北朝鮮との関係では、いわゆる「非対称軍事力」の劣勢は挽回できない。北朝鮮が、核兵器の保有数を増やし、米国と核と核で対抗する「恐怖の均衡(balance of terror)」に至らしめ、核軍縮を要求する戦略に出るなら、韓国は突然「戦略的ピグミー」になるだろう。

核武装を主導する金第1書記は、まだ29歳だ。父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記は晩年に2度の核実験を強行したが、使用可能な核兵器を作ることができないまま死去した。3回目の核実験をした金第1書記は、簡単には核開発を中止しないだろう。北朝鮮は11日、政治局会議を開き、長距離ロケットの発射を継続すると公言した。現段階で金第1書記の核挑発を阻止できなければ、国際社会は遠からず核とミサイルで武装した「ならずもの国家」とぶつかるほかない。

国連安保理の3回目の北朝鮮制裁決議は、北朝鮮の核武装の野心を阻止することができなかった。金第1書記は、さらなる挑発をすれば「重大措置」を行うとする国連安保理の警告を完全に無視した。世界の警察の役割を任された安保理常任理事国5ヵ国は覚醒しなければならない。安保理を無視し、なりふりかまわず核武装を追求する北朝鮮に制裁を加えることができなければ、どうやって非拡散を実現するというのか。生ぬるい制裁と警告では、北朝鮮の核武装を防止できないということが確認されたため、今までとは違う手段を動員しなければならない。安保理が北朝鮮を阻止する考えなら、「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」を定めた国連憲章第7条の適用をしない理由がない。

長距離ロケットの発射に続き、3回目の核実験で意気が上がった金第1書記を阻止できなければ、イランなどの潜在的核保有国に対する圧迫も難しくなる。北朝鮮は世襲指導者が全てを統制する。金第1書記に対する直接的な制裁措置も考える必要がある。

北朝鮮は、米国と中国の対応を見て今後の行動を決めると予想される。先月の米上院外交委員会承認聴聞会で、当時国務長官に指名されたジョン・ケリー氏と上院議員らは、アフガニスタンは45回、中国は33回、イランは30回取り上げたが、北朝鮮への言及は3回だけだった。オバマ大統領は13日に行う一般教書演説を北朝鮮に強力な警告を送る機会にしなければならない。来月、国家主席に就任する中国の習近平共産党総書記も、北朝鮮の核保有を阻止する考えがあるなら、金第1書記の挑発を制裁する考えを明確にすべきだ。

李明博(イ・ミョンバク)政府は在任5年間、2度も北朝鮮の核実験を空しく見ているだけの無気力さを露呈した。発想の転換がなければ、朴槿惠(パク・クンヘ)次期政府も似た道を歩くことになる。北朝鮮の核保有が既成事実となりつつある今こそ、北朝鮮政策のパラダイムを変える時だ。「米国の核の傘」の抑止力を維持するために、2年先に迫った戦時作戦権返還の再延期を検討すべきだろう。国連安保理議長国の地位を活用し、北朝鮮が核実験を後悔するよう強力な国際的な対応を引き出さなければならない