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[オピニオン]イスラエル軍のパワー

Posted November. 21, 2012 08:48,   

1967年6月5日、36万のアラブ軍隊と7万のイスラエル軍が対立した戦争は、6月10日、イスラエルの一方的な勝利で終わった。いわゆる「6日戦争」だ。ポーランド出身のジャーナリスト、リシャルト・カプシチンスキは、「イスラエルは全国民が参戦し、アラブ国家は軍人だけが参戦した」と的を射た観戦評を述べた。イスラエル国民は皆戦線に向かったが、アラブ参戦軍の中には、戦争の後も戦争が起きたのかさえ知らない人が多かった。先週からイスラエルがガザ地区を空爆し、今度はアラブ諸国が積極的に仲裁に乗り出している。

◆6日戦争の時、イスラエル軍の1人あたりの戦費は、アラブ兵士の3倍だった。訓練、戦闘力、装備のレベルで比較にならなかった。米ニューヨーク大学のブルース・ブエノ・デ・メスキータ教授は、これは民主主義と独裁の違いであると説明する。民主国家は、兵士に迫る危険を最小化しようと投資を惜しまないが、独裁国家はそれを財源の「浪費」と考える。昨年、イスラエルは、イスラム組織ハマスに拉致された兵士1人とパレスチナ人収監者1027人を交換した。「イスラエル軍の生命の価値をはかることはできない」という原則の実現だ。

◆イスラエルは、アラブ人と正統派ユダヤ教信徒を除く18歳以上の男女に兵役義務を課す。この国の子どもたちは、家と学校で自分の意見を明らかに主張するよう教育を受ける。そのように育って軍人になるので、軍隊文化も独特だ。階級よりも資質と能力を高く評価し、初級将校と現場の経験が多い兵士に裁量権を与える。指揮官が気に入らなければ、遠慮なく不満を言う。兵士が投票して無能な将校を追い出す。兵士と将校間の不信が作戦の失敗に直結すると考えるためだ。

◆イスラエルのアイビーリーグは、大学ではなく「タルピオット(Talpiot)」や8200部隊のようなエリート軍隊だ。有名な特攻部隊であるタルピオットは、優れた人材を選んで先端科学と作戦を結びつける。エリート部隊の転役兵は、軍隊で積んだ技術と人脈を活用し、数千のベンチャー企業を創業した。ナスダック上場企業のうちイスラエルの会社が欧州全体の会社よりも多い。イスラエルの経済成長の秘訣を書いた『起業国家』の著者、シャウル・シンゲルは、「イスラエル軍、特に空軍、歩兵隊、情報部隊が、イスラエルのハイテクベンチャーのインキュベーターの役割をしたことは偶然ではない」と話す。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com