Go to contents

[オピニオン]沈黙の暗殺者「糖尿」

Posted November. 10, 2012 08:23,   

太宗(テジョン)は、息子の世宗(セジョン)が本を読むのが好きで動くのを嫌ったためどんどん体が肥えるのを心配して忠告した。世宗は食べることが好きで、とりわけ肉食を楽しんだ。朝鮮の歴代の王が堪能した狩りにはあまり興味を示さなかった。30代半ばから眼疾を患った世宗は、末年に糖尿合併症で視力を殆ど失い、手前の臣下の顔も見分けがつかないほどだった。世宗実録によると、王は浮腫みや手が震える症状など様々な疾病を患い、「歩く総合病棟」も同然の状態だった。糖尿合併症が全身で見られたのだ。

◆糖尿患者の足にできる小さな傷が感染によって壊死し、足を切断する場合もある。糖尿病が怖いのは、このように頭から足先まで発生する合併症のためだ。慢性腎不全症のため、週に2、3回ずつ透析治療で血液の中の老廃物を取り除かなければならなくなったり、網膜の血管が傷つき失明したりもする。よほど悪化していないと自覚症状がないため、糖尿病は高血圧とともに「沈黙の暗殺者」と呼ばれている。

◆伝統医学は、多飲、多食、多尿の三多症を糖尿症状と見てきた。このような症状がなくても、まず血糖値が高ければ徹底した管理が求められる。初期からしっかり薬物治療を行わないと合併症に繋がる危険が2.3倍高まる。医師たちは「痛みがないから、患者たちは問診票の『糖尿』項目にチェックさえしない」と話す。糖尿を病気と受け止めていないことを物語っている。多くの患者が不規則に薬を服用して血糖の測定も疎かにして症状を悪化させる。糖尿の管理を患者だけに任せないで、家族を対象にした教育を同時に行う必要がある。

◆集計によると、国内の30歳以上の人口の10人に1人が糖尿患者だという。糖尿病の前段階である空腹血糖障害は10人に3人の割合だ。65歳以上の高齢者の半数が患者か潜在的な患者だった。30〜44歳の患者の半数は自分が患者であるという自覚がなかった。糖尿は生活習慣から来る病気である。遺伝的要因も大きいが、運動をして体重を減らして、糖分や炭水化物の摂取を減らせば発病を予防したり遅らせることができる。一度発病すると一生の同伴者と受け止め、丁寧に管理することで合併症を防ぐことが最善である。糖尿病の管理がうまくできれば、個人は健康でいれるから良いことだが、健康保険の財政にもプラスになる。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com