17年ぶりに誕生したフランスの左派政権が、政権奪還から7ヵ月目にして「右向け右」に旋回している。フランソワ・オランド社会党政府は6日、投資と雇用促進に向け、200億ユーロ規模の企業減税政策を発表した。欧州航空防衛宇宙産業(EADS)会長を務めたフランスのルイ・ガロワ国家競争力委員会委員長は、「国家競争力の回復に向け、今後2年間、企業に対し計300億ユーロの社会福祉費用を削減すべきだ」として提出した22項目の産業競争力強化対策報告書の内容の多くを受け入れたのだ。
オランド政府は財政支出を縮小し、付加価値税と環境税を引き上げ、減少した税収を穴埋めすることを決めた。中道右派のニコラ・サルコジ前政権の企業減税や付加価値税増税政策に追従することになる。主要産業の競争力の弱体化、ゼロ成長、25%の若者失業率、国内総生産(GDP)の5%に上る財政赤字が、フランス経済危機の現状を示している。フランス製造業の1時間当たりの賃金は、ユーロ圏の国々の平均より20%高い。正規職労働者の労働時間は週39.5時間と、英国(42.4時間)やドイツ(40.7時間)より短い。
労働者寄り性向のオランド政府は、脆弱な経済体質はまったく気にせず、年金受け取り年齢を、62歳から60歳へと引き戻し、最低賃金を2%引き上げるなど、ばら撒き政策を繰り広げてきた。高所得者の最高税率を75%まで引き上げ、消費と投資に水を差した。金持ちや企業の金が海外に流れ、失業率は10%を超えている。国際通貨基金(IMF)は、フランスの来年経済成長率を、政府予測値(0.8%)の半分の0.4%と予測し、「労働コストや硬直した労働条件などの全面的改革がなければ、イタリアやスペインの二の舞を踏みかねない」と警告した。
オランド政府は、左派性向の政策にこれ以上こだわるわけにはいかなくなった。ピエール・モスコビシ財務長官は、「企業減税で5年間、雇用30万件を創出する」と約束し、「これこそ、真実の瞬間だ」と強調した。しかし、企業に過度な負担を与える福祉システムの改革は、来年に見合わされた。雇用や解雇の柔軟性を高めるための財界と労働界との大妥協も遅れている。過剰福祉・過剰保護に慣れている社会を改革することは、それだけ難しい。
今のフランスは、「蔵を満たす成長がなければ、福祉を持続させることができず、最上の福祉はほかならぬ雇用だ」という事実を示しているもうひとつの事例に過ぎない。大統領選挙候補らが、後片付けの難しい福祉公約を乱発すれば、韓国も1、2年内に「真実の瞬間」を迎える可能性が高い。






