●直撃を受けた自動車
9月10日、日本政府が尖閣諸島(中国名=釣魚島)の国有化を宣言したとき、中国内で走り回っていた日本自動車は、無差別なテロを受けた。中国人らは各地で、日本自動車を覆したり、火をつけた。その後、日本自動車不買運動の空気も盛り上がっている。
中国で生産するトヨタや日産、ホンダなど6つの自動車メーカーの9月の生産台数は計22万1099台と、昨年同期比28.4%も減少した。日産は9万394台で20.4%、ホンダは5万735台で20.7%、トヨタは4万7253台で41.9%、鈴木自動車は1万7000台で46%がそれぞれ減少した。
日本の中国向け輸出台数にも歯止めがかかっている。日産自動車は、中国向け自動車輸出を、来年1月まで中止することを決めた。日産の中国向け輸出自動車の大半は、高級車種だ。利益幅が大きく、輸出中止は、日産の業績に悪影響を及ぼすものと見られる。
日本経済新聞は、トヨタや日産、ホンダ自動車の今年、中国での乗用車販売は20%ほど減少するだろうと見込んだ。
●業績予測の下方修正相次ぐ
SMBC日興証券が最近、東証1部の上場会社469社を対象に、今年の会計年度(2012年4月〜2013年3月の)業績予測について調査を行った結果、全体の37%が、売り上げ予測値を下方修正し、32%が純利益の予測値を引き下げた。中国の景気減速や中国人による日本製不買運動が主な理由だった。
これらの上場会社は当初、今年の営業利益は昨年より15.6%伸びるだろうと見込んでいたが、最近、9.1%増に止まるだろうと予想した。電子業種の純利益は、当初の予測値に比べ87.8%、鉄鋼業種は78.5%それぞれ減少するものと見られている。
電子部品メーカーのミツミ電機は、今年の純利益の予測値を、かつての10億円の黒字から125億円の赤字へと見直した。反日デモで、青島工場が破壊されたことを損益計算書に反映させた結果、赤字に転じたのだ。
年明けまでは、多くの日本企業が世界経済の回復に乗って、東日本大震災の衝撃から脱却し、V字型の回復を期待していた。しかし、中国リスクを受け、状況は逆方向に流れている。今後、日本企業の業績も、中国に牛耳られるものと見られる。中国の日本製品不買運動が下火になり、景気がよみがえれば、日本企業も業績悪化から脱するだろうが、そうでなければ、厳しさはつづくものと見られる。
●「中国エクソダスが続く模様」
中国での状況が悪化したことを受け、中国内工場を移転しようとする日本企業も現れ始めている。民間調査機関「帝国データバンク」が先月、全国1万あまりの企業を対象に調査した結果、全体の30%が、「尖閣諸島をめぐる対立による中国との関係悪化で、ビジネスに悪影響を受けている」と回答した。また、35%は生産拠点としての中国の魅力も下がっていると評した。
調査対象企業のうち、中国と直接取引する1600あまりの企業に対し、今後、中国での事業計画についてたずねたところ、「現在の事業規模を維持する」という回答は55%、「事業縮小や撤退を検討する」という回答は16%だった。
ロイター通信が先月1〜17日、日本の企業400社の役員を対象にアンケートや対面調査を行った結果、約37%が、「中国を生産基地として使うことへの懸念が高まっている」と明らかにした。その半分ほどは、今会計年度の売上高が激減するだろうと見込み、24%は、中国向け投資を遅らせるか減らす計画であり、18%は、工場そのものを第3国へと移転する案について検討していると回答した。
実際、衣類メーカー「ハーネス」は、中国への依存度を下げ、未開拓市場のミヤンマーへと工場を移転する計画だ。タイヤメーカーのトヨタイヤーアンドゴムも、中国の代わりにマレーシアへの投資を増やす案を検討している。これからも、日本企業の「中国エクソダス(脱出)」が徐々に増えるものと見られる。
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