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シェルガスのブームで、車の燃料市場は「新三国志」

シェルガスのブームで、車の燃料市場は「新三国志」

Posted September. 05, 2012 06:49,   

世界的なシェルガス・ブームを受け、国内自動車燃料市場に、いわば、「新三国志」時代が到来している。天然ガスであるシェルガスの供給が増え、圧縮天然ガス(CNG)の価格が値下がりし、自動車燃料市場での地殻変動が予想されるからだ。CNGとは、液化天然ガス(LNG)を高圧で圧縮した燃料であり、現在、エコバスなどに使われている。

4日、国土海洋部によると、7月基準で国内でCNGを使っている車両は計3万5465台と、この1年間徐々に増えている。景気低迷を受け、従来のガソリンや軽油、液化石油ガス(LPG)価格が値上がりを続け、タクシーや一般乗用車のオーナーたちが、CNG車両へと改造する事例が増えているからだ。

現在、CNGは、個別消費税だけでも1リットル当たり29ウォンほどがつき、油類税まで課せられるLPG(221ウォン)、ガソリン(746ウォン)、軽油(529ウォン)に比べ安価だ。また、従来車両をCNG車両に変えることも、法的に何ら問題がない。

製油やLPG業界では、CNG市場が拡大している現状の中、韓国ガス公社が17年から、本格的に国内にシェルガスを輸入すると宣言し、不安がっている。ガス公社が国内年間消費量の20%に上る350万トンのLNGを、20年間輸入すると、国内CNG価格も25%ほど下がるだろうと、業界では見ている。LPG業界の関係者は、「税金の低いCNGが、導入価格まで下がることになれば、国内自動車燃料市場のバランスは崩れかねない」と主張している。

最近、LPG燃料の主要使用客とも言えるタクシー業界が、軽油をタクシー車両の燃料として使う場合も、LPGと同様に油類税を免除してほしいと要請し、LPG業界は危機感を感じている。タクシーは輸送用LPGの40%を占める主要消費層だ。

SKエネルギーをはじめ製油会社4社も同様に、気を抜くわけには行かない。値上げに対する政府や消費者団体の牽制を受け、ガソリンや軽油を売って国内で収益を上げるには限界がある上、LPG業界が自動車メーカーと提携し、新車開発に乗り出していることも、不安な要因となっている。現在、LPG輸入会社各社は、現代(ヒョンデ)自動車と一緒に、燃料消費効率や出力を高め、排出ガスを減らしたLPG直接噴射(LPDi)エンジンを取り付けた自動車開発に取り組んでいる。7月からは、これまで、軽油のみ使ってきた建設機械に、軽油とLPGとを混ぜて使うことのできるエンジン開発にも乗り出している。

エネルギー業界の関係者は、「昨年末、障害者らが乗っていた中古のLPG乗用車を、一般人も購入できるよう法を改正した時も、製油業界の反対が強かった」とし、「市場を食い込まれることを懸念する製油会社各社も、軽油を使う新車開発に、研究費を集中的に支援している」と主張した。

三千里(サムチョンリ)やテソンなどのCNG事業者も同様に、従来の都市ガス事業の成長が限界に達すると、自動車運送市場への進出を狙っている。CNG業界側は、「10年にソウル城東区杏堂洞(ソンドング・ヘンダンドン)でのバス爆発事故で起きた安全性の問題はアキレス腱となっているが、ガススタンドなどを拡大させるため、地道に準備している」とコメントした。

エネルギー会社各社は、該当燃料を利用する新車開発のほか、知識経済部や環境部などを相手に自分たちの主張を貫こうと努力している。一般LPG乗用車を、健常者たちも購入できるように認め、CNGにも従来の燃料と同様の税金を課すことになれば、市場構図が変わりかねないからだ。従来の燃料と電気とを一緒に使うハイブリッド車両が徐々に増えていることも変数となっている。



mint4a@donga.com