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[オピニオン]さらに面白くなったテコンドー

[オピニオン]さらに面白くなったテコンドー

Posted August. 15, 2012 09:41,   

한국어

テコンドー界の関係者らはロンドン五輪で二つの目標を定めた。韓国選手の健闘とテコンドーの盛り上がりの回復だった。足踏みを見ているような退屈さ、公正さに疑問が絶えない疑惑判定、韓国勢のメダルを総なめする現状などでテコンドーは五輪競技から除外される最有力種目に挙げられた。ボクシング、フェンシング、柔道、レスリング、テコンドーの5種目の格闘技のうちテコンドーは最もつまらない種目として悪名高い。来年9月の国際五輪委員会(IOC)総会では既存の五輪種目のうち1つを除外し、採用を待っている8種目のうち1つを入れる。採用待ち種目のうち、中国と日本の代表的な武術であるウシュと空手が虎視眈々とチャンスを狙っている。

◆足元の火となったテコンドーは、ロンドン五輪で面貌を一新した。競技場を縦横10メートルから8メートルに縮小し、10秒間攻撃をしなければ警告を与えて競技が守備中心に流れることを防いだ。ボディー攻撃には1ポイント、頭部攻撃には3ポイント、後ろ回し蹴りの頭部攻撃には4ポイントを与える差等点数制で逆転が起きる可能性を高め競技の緊張感を増した。電子保護具を採用し、誤審に余地を減らした。選手がビデオ判読を要請すれば6台のカメラで撮影した映像が大型スクリーンで会場に公開される。そのお陰でロンドン五輪でテコンドーは誤審を巡るトラブルは一つもなかった。

◆新しいテコンドーのルールは、すべてが韓国選手には不利に見えた。頭部攻撃や後ろ回し蹴りは脚の長い西洋人に有利だ。絶えず攻撃することを要求する競技は、体力的に劣勢にある韓国選手には手に負えない。電子保護具は階級別に一定強度以上の打撃を加えてこそポイントが認められるのだが、これもパワーで勝っている外国選手に有利だ。それでも甘受した。五輪でのテコンドーの生き残りをかけて、骨身を削る思いで改善策を打ち出したのだ。

◆手応えはあった。6000人を収容するロンドン五輪のテコンドー競技場は、予選のときも空席が少なかった。華やかな技の代わりに道着の襟だけに食い下がり、つまらない競技に流れて興味が半減する柔道とは対照的だった。テコンドー競技を直接観戦したジャック・ロゲIOC会長は、「競技の運営が大変組織的で面白かった」と高く評価した。予測を許さない接戦が続き、金メダル8個を8ヵ国が分け合い、21ヵ国の選手がメダルを首にかけた。テコンドーの領土がそれだけ広くなったのだ。韓国は金メダル1個、銀メダル1個を獲得し、五輪で歴代最悪の成績を出したが、テコンドー関係者らの表情は明るかった。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com