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[オピニオン]πデー

Posted March. 14, 2012 07:51,   

あるバレリーナの内面に隠された悪魔性を描いた映画「ブラック・スワン」の監督ダーレン・アロノフスキーのデビュー作は、数学をモチーフにした映画「π」だ。98年、アロノフスキーはこの映画でその年のサンダンス映画祭最優秀監督賞と99年のフロリダ映画批評家協会の新人監督賞を受賞した。映画の主人公は、数学によって株式市場の予測など、世の中のことがすべて分かると信じる数学者だ。「π(pi)」と発音が同じ「パイ(pie)」を食べてこの映画を見、数学への関心を目覚めさせる日が3月14日の「πデー(Pi Day)」だ。

◆円周と直径の比である円周率πは3.1415926…で、小数点以下が無限の無理数だ。「πデー」が正確にどこで始まったのかは不明だが、円周率に象徴される数学の重要性への認識を広めようという趣旨であることは確かだ。商魂で染まった国籍不明の「ホワイトデー」よりもはるかに健全な意味を持っている。アインシュタインの誕生日も3月14日だ。誕生日がπの3ケタの数字と同じことからも、アインシュタインは科学者の運命を持って生まれたようだ。

◆民間の数学界で、面白半分で記念日とした「πデー」が、今年は格別の意味を持つ。教育科学技術部と韓国科学創意財団は13日、世宗(セジョン)文化会館で「数学教育の年」宣言式を行う。今年は、韓国で重要な数学関連イベントが開催される。7月にソウルで開催される数学教育世界会議(ICME12)は、世界100ヵ国以上から数学教育関係者約4000人が参加する数学教育のオリンピックだ。数学達成度国際比較で明らかになった韓国の数学教育の優秀性を誇示し、外国の数学界との交流を通じて、国内の数学教育のレベルを高めることができる重要な大会だ。

◆数学文化研究所所長の金容雲(キム・ヨンウン)元漢陽(ハンヤン)大学教授は著書で、「韓国には専門の数学者はいても、数学に基盤を置く文化がない」とし、多くが小・中・高校で12年間数学を勉強するが、早く数学の悪夢から抜け出すことを望んでいると指摘した。韓国科学創意財団が昨年、高校生を対象に質的調査を実施した結果を見ると、生徒たちは、数学を実生活とかけ離れているが、大学入試のために勉強しなければならない科目と認識していた。さらに、数学も暗記しなければならないと考える生徒が多かった。「πデー」が数学への誤解を払拭し、数学の大衆化の転機になることを期待する。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com