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脱北者、咸鏡道政治犯収容所で裁判もなく処刑するケースが増加

脱北者、咸鏡道政治犯収容所で裁判もなく処刑するケースが増加

Posted March. 09, 2012 06:58,   

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金正恩(キム・ジョンウン)体制に入った北朝鮮が脱北者に対して類例のない苛酷処罰をしている状況で、今回送還された脱北者31人の運命が注目されている。過去のケースに照らして、彼らには少なくとも政治犯収容所の終身収監以上の苛酷な処罰が加えられるものとみえる。特に、北朝鮮が最近、韓国行きの脱北者を裁判もなく処刑するケースが増えており、彼らの安否が憂慮されている。

●家族まで政治犯収容所の可能性

北朝鮮の脱北者処理は、時期ごとに強弱を繰り返してきた。脱北が本格化した90年代中盤は、見せしめに処刑することが多かったが、00年代初期には、単純脱北者には6ヵ月の労働鍛練刑が言い渡されたりもした。しかし、00年代後半からは、韓国行きの脱北者は政治犯収容所、何度も逮捕された一般脱北者は教化3年刑が言い渡されるなど、処罰の水位が高まった。

金正恩氏が脱北者の処罰を公言し、保衛部を掌握し始めた10年後半からは、初めて脱北した人にも教化3年刑が言い渡され、昨年夏からは脱北者を即時射殺してもいいという指示が下された。特に金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去後、北朝鮮は脱北者を体制崩壊の最大の危険要因と見て、苛酷な処罰を始めた。

金総書記死去哀悼期間中に脱北すれば3代まで滅ぼすと公言された中、実際に哀悼期間に脱北したり脱北を図った人は、尋問の手続きもなく、咸鏡北道輸城(ハムギョンプクト・スソン)の22号政治犯収容所に収監された。脱北とは関係のない子どもまで全員政治犯と見なされて収容された。22号収容所は政治犯だけが収監されてきたため、家族単位の収容者もいる収容所に比べて悪名が高い。

北朝鮮は数年前、22号収容所に家族も収監できる施設を追加し、韓国行きの脱北者を家族とともに収監してきた。昨年10月に中国で逮捕され、韓国政府が釈放を求めた韓国行き脱北者19人も皆送還され、22号収容所に収監されたという。

今回、北朝鮮に送還された脱北者の場合、北朝鮮に残されていた家族と彼らの脱北を助けたり見ないふりをした人々まで逮捕されており、政治犯収容所に収監される人は数百人にのぼるとみえる。

●国際社会の世論が変数

しかし、送還された脱北者が国際社会の注目を浴びているという点が変数として作用するものとみえる。東亜(トンア)日報と対北朝鮮人権団体は、今回送還された脱北者の名簿を持っている。これは、北朝鮮に送還された彼らがどのような処罰を受けるのか、北朝鮮の情報網を通じて、今後分かる可能性が高いことを意味する。今回、送還された脱北者が北朝鮮の反倫理的な苛酷行為の証拠になり得るということだ。

北朝鮮が崩壊した経済を回復するには、今後、米国や欧州など国際社会との関係改善が必要だ。この場合、人権問題は越えなければならない大きな山だが、北朝鮮は西欧諸国が今回送還された脱北者の名前を提示して生死の確認を求めることも予想しなければならない。そうだとしても北朝鮮が31人を釈放して故郷に返す可能性は非常に低い。



zsh75@donga.com