親盧系(故盧武鉉前大統領系)の中心人物である文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党常任顧問は旧正月連休中に、「あちら(保守右派陣営)について語る前に私たちも問題だ」と言い「進歩陣営の人たちは、どうしてもっと多くの人が支持しないのか考えるべきだ。我々は絶対的に正しいとして、考えることが違う方を認めようとしない敵対感が問題だ」と話した。進歩陣営が自分たちだけが正しいという独善のため、支持基盤を広げることができずにいるという現実認識である。
東亜(トンア)日報が旧正月翌日の24日に実施した世論調査で、朴槿恵(パク・グンヘ)ハンナラ党非常対策委員長と安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学融合科学技術大学院長との二者対決構図では、39.0%対51.8%で安院長が12.8ポイントリードした。朴委員長と文氏との二者対決では46.7%対38.4%と朴委員長が8.3ポイントリードしたが、1ヵ月前の調査結果に比べて格差が縮まっている。民主党内では、言動に毒がある人物よりは、相対的に包容力を示している文氏が躍進している格好だ。時には進歩左派陣営に向っても苦言をしながら幅広く当たる動きが、支持率上昇の動力になっていると見られる。
進歩左派陣営は、人の欠陥には青筋を立てて飛びつきながら、自分たちの欠陥には目をつぶる二重の態度を見せがちだった。2009年、当時の孔貞澤(コン・ジョンテク)ソウル市教育監が1審で罰金150万ウォンの判決をを言い渡されると、全国教職員労働組合は「ソウル市の教育の首長として法的、道徳的に資格を失った」として辞退を迫った。ところが郭魯鉉(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監が1審で、孔氏の20倍に当たる罰金3000万ウォン判決が出ると、「職務復帰を歓迎する」「最終判決では(郭氏の)善意が認められることを期待する」と持ち上げた。
民主党は、ハンナラ党の2008年全党大会で現金が配られた事件に関連して、朴熺太(パク・ヒテ)国会議長に今すぐの議長辞任を求めた。半面、今月15日に終わった自分たちの党大会でばら撒かれた現金入り封筒については、「確認が先だ」としてもみ消そうとしている。文氏のような、暫定的な大統領候補たちさえも民主党の腐敗、そして進歩の腐敗について何も言わないのは遺憾である。
政治は仇を討ちと見做している一部野党関係者たちの認識も問題だ。親盧系の文盛瑾(ムン・ソングン)民主党最高委員は全党大会で「金大中(キム・デジュン)、盧武鉉両大統領が受けた屈辱を丸ごと返してあげる」と話した。李海瓚(イ・ヘチャン)元首相は、あるメディアのインタビューで「2016年にまた総選挙が予定されているが、そのときハンナラ党を壊滅させるというのが私の考えだ」と語った。「復讐血戦」を戦う意気込みだ。政治現場では「3対3対3」ルールというのがある。ハンナラ党や民主党を選択する支持層の他に、中道派の票が勝敗を分けるという話だ。毒のある人物だけでは国民多数を安心させることはできないという点でも、文氏の役割は必要と見られる。






