ソウル市長補欠選挙日に中央選挙管理委員会のホームページへのDDoS(分散サービス拒否)攻撃を指示した容疑がかけられている崔球植(チェ・グシク)ハンナラ党議員の随行秘書のコン容疑者(27)が、「羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)候補の為にと思って一人で計画した」と供述していることが分かった。だが、政治的にデリケートな選挙戦の最中に投票率に影響を与える重大な犯罪を、運転手兼随行秘書による単独犯行と見るには無理がある上、事件の背後を保護するためのトカゲの尻尾切りではないかとの疑問の声も出ている。
●犯行前に国会議長秘書と相談
警察庁・サイバーテロ対応センターは8日、コン容疑者が出身地の後輩であるカン氏(25)に選管へのDDoS攻撃を指示した容疑を認めたと明らかにした。コン容疑者は、警察の取り調べに対し「羅候補が崔議員と近い間柄なので、羅候補を助けることが崔議員を助けることだと思った」とし、「選管が麻痺すれば、投票所を探すのが難しくなるし、そうなれば若年層の投票率が下がるのでハンナラ党に有利に働くと思った」と供述した。選管サイト攻撃の目的をめぐり世間で持ち上がった疑惑内容と一致する内容だ。
またコン容疑者は、投開票日の前日である10月25日の夜、朴熺太(パク・ヒテ)国会議長秘書の金氏(30)や孔星鎮(コン・ソンジン)議員の秘書出身のパク氏(35)ら5人とともにした飲み会で犯行を決心したという。コン容疑者は、警察の取り調べに対し「飲み会の席で出席者たちと、明日の再選挙・補欠選挙について話をしているうちに、ふと選管のホームページを攻撃すれば投票率の下落につながると思い立った」とし「以前、カン氏が賭博サイトを麻痺させた経験があると自慢していたので、選管への攻撃を指示することになった」と供述した。
警察の取調べの結果、コン容疑者は同日の飲み会で、金氏と犯行計画について相談したことが明らかになった。警察によると、コン容疑者は同日午後11時40分ころ、カン氏に選管と朴元淳(パク・ウォンスン)候補のホームページに対するDDoS攻撃が可能かどうか確認するようにしたあと、飲み屋の店の中にいた金氏を外に呼び出して、「(選管のホームページを)潰しましょうか?(ダウンさせましょうか?)」と問うた。コン容疑者は、それから数時間後の26日の午前1時40分ころ、カン氏から「(テスト攻撃の結果)できます」という返事を受け、金氏を再び店の化粧室に連れ込んで「できるそうですが」と言って攻撃を敢行することを伝えた。金氏は「それは駄目だ。警察に捕まる」とコン容疑者を止めたと供述した。だがコン容疑者は「投票が始まる午前6時から実施せよ」と攻撃の指示を出した。警察によると、選管への攻撃が実際に始まった26日の午前7時から9時までの間、金氏と5回にわたって電話通話をし、犯行内容や影響などについて意見を交わしたという。
先月30日に逮捕されたコン容疑者は、引き続き容疑を否定してきたが、今月8日の午前4時ころ、徹夜での取調べを受ける途中、心境に変化を起こし、犯行について自供した。金氏は、最初は「飲み会の席ではDDoSのDの字も出なかったし、病院投資問題について話した」と主張し続けたが、同席していたパク氏が「本当のことを言え。このままではみな死ぬ」と説得して気が変わったという。
●果たして単独犯行だろうか
警察は、コン容疑者と金氏の供述が、相当部分一致しているだけに、二人の自供に信憑性があると見て単独犯行の可能性に重きを置いている。
警察の関係者は「コン容疑者が選管へのサイバーテロについて、事前に第三者と共謀したという供述はまだ出ていない」と言い「投開票日前日の飲み会で犯行を決心した蓋然性が高い」と述べた。
警察によると、コン容疑者は、事件当時、カン氏がフィリピンに滞在していたことを知らなかった。カン氏も、当時フィリピンの某所で、一緒に飲んでいた共犯のファン氏(27)に「コン氏から電話がかかってくれば、あなたが出てくれ」とした後、先に寝床につくなどアリバイ工作をした形跡が見つかっていないという。
警察は、また彼らが選管へのDDoS攻撃を緻密に計画していたなら、必要なゾンビPCの規模を確認するため攻撃のテストをもっと早い時期に行っていたはずなのに、26日午前1時に初めてテストを行ったことも偶発的な犯行である可能性を裏づけしていると見ている。
しかし警察は事件の背後が別途ある可能性を排除していない。警察は、コン容疑者に対して、事前に犯行を謀議したのか、政界の関係者など第三者の関与があったのか、犯行後に報告をした形跡はないのかなどについて追及する予定だ。警察は、とくにコン容疑者が犯行直前の26日午前3時ころ、5分ほど通話をした故郷の友人であるチャ氏に、コン容疑者が犯行に関連して何らかの裏の話をしたかどうかについて調べている。
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