安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学教授(融合科学技術大学院長)に対する野党のラブコールが熱い。親慮武鉉(ノ・ムヒョン)勢力と親野党の市民団体関係者が主導する「革新と統合」は6日、安教授に野党陣営の統合に参加するよう要請した。丁世均(チョン・セギュン)民主党最高委員も7日、「安教授が大統領選挙の決心が定まったなら、統合の隊列に参加しなければならない」と強調した。
安教授は、ソウル市長補欠選挙を機に、来年の大統領選挙の予想候補に対する各種世論調査で、ハンナラ党の朴槿恵(パク・グンヘ)元代表に対抗できる野党の唯一の候補に浮上した。来年の大統領選挙に向けた本格的な選挙戦が半年も残っていない時点で、野党で圧倒的1位の人物が大統領選挙の出馬意志を明確にせず、政界は不確実性の霧に包まれている。安教授が政治をする考えがあるなら、その考えを明らかにし、国民の疑問を解く時が来た。
安教授は、「政治が何か勉強したこともなく、よく分からない」、「人文学は分かっていても、政治はよく分からない」、「大統領は誰でもできるものではない」という言葉で、政治参加に距離を置いた。しかし、安教授は、ソウル市長選挙の終盤に朴元淳(パク・ウォンスン)候補の選挙キャンプを訪れて「応援の手紙」を伝え、有権者の投票参加を促す現実政治家の振る舞いを見せた。周囲の人々が安教授に新党を薦めているという声も聞こえている。安教授に会った人は、政界に飛び込むことは確実だという見方を示した。
安教授は、「安保は保守、経済は進歩」、「反ハンナラ党、非民主党」という見解のほかは、政治の所信やビジョンを明らかにしていない。医師出身の安教授は、コンピュータウイルス研究所を立ち上げてCEOを務め、大学生向けの「青春コンサート」というトークショーに出て、人気を呼んだ。しかし、大統領に必要な政治的な鍛練や経験はまったくない。大統領になろうという人間なら、国民の前でその力量と人となりの緻密な検証を受けなければならない。「青春コンサート」や「膝打ち導師」といったテレビ番組で現れた漠然としたイメージで大統領の器かどうかを判断することはできない。
安教授は、国民が資質と能力、リーダーシップ、安保思想、思想や道徳性などを徹底的に検証するのに必要な時間的余裕を与える義務がある。安教授が政治に参加するかどうかを明らかにせず、メディアとの接触を避け、政治活動の開始を最大限遅らせて検証を避けようとするなら、「こざかしい手段」あるいは「フリーライダー」という非難は避けられない。安教授は、政治に参加するのかどうかを明らかにし、政界の不確実性を除去して公正な競争が可能なムードづくりをしなければならない。それが堂々とした態度であり、新しい政治を期待する国民の意思にも応えることだ。まだ判断がつかないのなら、朴元淳支援の政治をすべきではなかった。






