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[オピニオン]安哲秀研究所の「政治株価」

[オピニオン]安哲秀研究所の「政治株価」

Posted October. 26, 2011 07:23,   

証券市場で特定の話題の影響を受け、株価が高騰する銘柄を「テーマ株」と呼んでいる。企業業績はもとより、政治や経済、社会、天気、流行など、様々な影響要因がテーマとなりうる。客観的には理解できないほど株価が高騰した後、バブルがはじけ、急落するケースも少なくない。「作戦勢力」がテーマを口実に、株価を引き上げた後、差益を手にして逃げ出したため、遅れて飛び込んだ一般投資家が被害を受けたりもする。

◆安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学・融合科学技術大学院長が大株主となっている安哲秀研究所の株価が24日、上場後最高価格の1株=10万ウォンで取引を終え、目を引いた。同社の1株の額面価格は500ウォンであり、額面価格の200倍に上る。額面価格が5000ウォンの三星(サムスン)電子の同日の終値は、1株=94万1000ウォンだった。セキュリティソリューション会社である安哲秀研究所の株価が、韓国の代表的グローバル企業である三星電子より事実上、高かったことになる。昨日、安哲秀研究所の終値は、下げストップまで急落した1株=8万5000ウォン、三星電子は小幅に上昇した1株=94万5000ウォンで、1日で逆転した。

◆安哲秀研究所の株価は、安院長のソウル市長への立候補の可能性が伝わった9月初頭から高騰した。9月1日の終値が1株=3万4650ウォンだったことを考慮すれば、短期間で2倍以上高騰したことになる。37.1%の株を持っている安院長の保有持分の評価額も、年明けの718億ウォンから、今月24日は計3720億ウォンへと膨らんだ。安哲秀研究所の最近の業績は予想よりはよかったものの、安院長の政治的行動の影響を受け、「政治テーマ株」へと浮上したのが、株価高騰の決定的原因だと、専門家らは分析している。韓国取引所は21日、同社を投資株銘柄に指定したのに続き、25日はさらにレベルの高い投資警告銘柄に指定した。

◆投資分析家らは、特定株の株価を、1株当たりの純利益で割った株価収益比率(PER)が20倍を超えれば、バブルができたと判断する。最近、安哲秀研究所のPERは60倍前後であり、「企業株価」よりは、「政治株価」の性格が濃くなっている。一部の作戦勢力が介入したはずだという主張も出ている。一般投資家らは、客観的な業績を基に、冷静な投資姿勢を失わないことが望ましい。テーマ株の空気に便乗し、法外な高い価格で株を買い、後で「最も高値」で買わされ、後悔するかもしれない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com