Go to contents

アップルの新CEO、「デジタルビデオを開発中」と明言 韓国企業は大緊張

アップルの新CEO、「デジタルビデオを開発中」と明言 韓国企業は大緊張

Posted August. 30, 2011 07:54,   

한국어

アップルはこれから、リビングのテレビまで占領することになるのだろうか。

スティーブ・ジョブズの辞任後、新たにアップルの最高経営者(CEO)に就任したティム・クック氏の初仕事は、「デジタルリビング」であることが分かり、グローバル家電業界が神経を尖らせている。米紙ウォールストリートジャーナルは最近、「アップルがリビングのテレビからデジタルビデオを直ぐに見られる新技術を開発している」とし、「向上したデジタルビデオ事業が新任CEOの初仕事だ」と語っていたことを報じた。アイフォーンやアイパッドなどモバイル分野での大成功を、消費者家電へとつなげようとしているという。

●アップル、「フールー」買収合戦に参加

アップルはすでに昨年、「アップルTV」という名のセットトップボックスサービスを開始した。一般テレビにセットトップボックスをつけ、ドラマや映画などを販売したり、レンタルしたりする方式だ。しかし、業界では次はアップルが自前のスマートテレビを出すものと予想している。

特にアップルが最近、無料オンライン動画サービス事業者「フールー」(Hulu)の買収合戦に乗り出し、このような見方が説得力を得ている。ユーチューブがアマチュアユーザーらが制作した動画中心サイトであるなら、フールーは映画のような正式ライセンスのあるコンテンツを大量に確保している。アップルが、グーグルやヤフーなどを抑えてフールー買収に成功すれば、一気に良質のコンテンツを手にし、テレビ事業への参入に有利な足がかりを作ることになる。

またアップルは、テレビにも適用できる「3次元(3D)イメージ具現技術」関連特許も最近、米特許庁に出願している。アップルが従来のアイフォーンやアイパッドのディスプレーの最大供給元であるLGディスプレーに、テレビ向けパネルを注文したといううわさまで出回っている。LGディスプレーの權暎壽(クォン・ヨンス)社長が、「55インチ有機発光ダイオード(OLED)のテレビ向け試作品を、来年まで生産する」と発表したのも、「アップルテレビ」を念頭においてのことだというのが業界の見方だ。

電子業界では、アップルがホームエンターテインメント分野に進出すれば、膨大な破壊力を持つことになるだろうと見ている。UBSのメイナード・アム・アナリストは、「アップルがテレビ市場に成功裏に根を下すことになれば、時価総額が1000億ドル(約107兆ウォン)以上上昇するだけの価値があるだろう」と分析した。

●三星やLGも大緊張

アップルがテレビ市場に参入すれば、従来のスマートテレビとは全く異なる革新的機能を加えるものと見られる。他の企業各社が軒並みハードウェアの機能競争に熱を上げている間、アップルは、「アイチューンズ」や「アプリストア」という新発想のコンテンツ流通環境を作り出し、これを通じハードウェアを含めた生態系全体を速いテンポで我が物にした。

現在、アップルのアプリストアには、アイフォーン向けアプリが50万件、アイパッド向けアプリが10万件以上流通している。一方現在、三星(サムスン)電子のスマートテレビ向けアプリは500件あまり、LG電子は300件あまりに過ぎない。三星電子やLG電子、ソニーなどのスマートテレビメーカー各社は、それぞれのプラットフォームを備えたまま、コンテンツやアプリの確保に熱を上げている。しかし、アップルがテレビ市場に本格的に参入すれば、追いつけないだろうという見方が出ている。アップルの動きに三星電子やLG電子など、従来のテレビ業界が緊張せざるを得ない理由でもある。

しかしテレビは、モバイルとは根本的な生態系が違うという見方もある。アップルはモバイルでは成功したものの、テレビでも成功できるという保障などないという。グーグルがソニーなどと提携して発売した「グーグルテレビ」も、未だ目に見える成果を出せずにいる。三星電子の関係者は、「スマートテレビは、市場初期段階であり、絶対的な強者がないのが現状だ」とし、「三星はグローバルテレビトップとして蓄積してきたノウハウや地域別に特化したアプリで市場を守り抜く」と主張した。

LG電子は、簡単で使い勝手のよいユーザー環境(UI)を作るのに勝負をかけている。LG電子の関係者は、「第1世代スマートテレビは、いくらよいコンテンツがあっても、メニューが複雑で、10回近くボタンを押さなければならなかった」とし、「使い勝手のよいUIを作るのがカギとなっている」とコメントした。



jaeyuna@donga.com