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[オピニオン]陸軍のベレー帽

Posted August. 19, 2011 03:05,   

ベレー(b´eret)はフランス語だ。ベレーは、もともとフランスとスペインの国境地帯に位置するピレネ山脈の羊飼いらが被っていた帽子だった。山岳地帯の肌寒い風で頭部から熱を奪われるのを防ぐための実用的な帽子だった。この帽子を主に使うバスク族は黒のベレーが好きだ。今も欧州の都市でバスクの国旗を掲げたレストランに入ると、ベレー帽を被ってホールサービスをしている若者たちを簡単に見かけることができる。

◆ベレー帽は、後にお洒落のアイテムになった。今のスターに劣らない人気を博し、女性を魅了して艶聞が絶えなかった19世紀後半に活躍したドイツの作曲家、リヒャルト・ヴァーグナーはベレー帽を着用した肖像画で有名だ。1968年、米ハリウッド映画「俺たちに明日はない」(原題「ボニー・アンド・クライド」)で女性主人公のボニー役を演じたペフェイ・ダナウェイがロングタイトスカートにベレー帽を被って出演し、いわゆる「ボニー・ルック」(bonnie look)を流行させた。赤い星のベレー帽を被っているキューバーの革命運動家、チェ・ゲバラのイメージは、1960年代の南米革命運動のシンボルとして残っている。

◆英米の軍隊では「グリーン・ベレー」(green beret)が特殊部隊のシンボルだ。第二次世界大戦のとき、特殊訓練を終えた英国軍がグリーンのベレー帽を着用したことから「グリーン・ベレー」と呼ばれた。英国軍とともに作戦を展開した米軍の特殊部隊員たちが英国軍が羨ましかったのか、軍の禁止規定を違反してまでしてベレー帽を被るようになった。米軍のベレー帽着用は1961年、ジョーン・F・ケネディ大統領によって、後日追認された。わが国の特殊戦司令部は「ブラック・ベレー」、国連平和維持軍は「ブルー・ベレー」を着用する。

◆陸軍全体52万人が今年の国軍の日(10月1日)から戦闘帽の代わりにベレー帽を被る予定だったが、帽子の生産が追いつかず、予定に狂いが出ている。どんぶり勘定式の納品契約のため、40万以上のベレー帽の納期に間に合わなくなっている。軍当局の仕事の段取りのずさんさには唖然となる。陸軍は昨年末、「強靭なイメージを与え、広い視野を確保できるというメリットがある」として野球帽子の形をしている既存の帽子の代わりに、ベレー帽を導入することを決めた。特殊戦司令部のブラックベレーと区別するため、カラーは黒緑に決めた。帽子だけが変わるのではなく、陸軍全体の戦闘力も特殊戦司令部将兵のレベルに強化されることを期待する。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com