李明博(イ・ミョンバク)大統領が15日、66周年光復節(クァンボクチョル=日本の植民地支配からの独立記念日)の記念演説を通じて、国政運営の新たな目標に「共生発展(ecosystemic development)」を掲げた。「格差を拡大する発展ではなく、格差を減らす発展、雇用のない成長ではなく、雇用が増える成長、互いが互いを見守る温かい社会を追求することが共生発展だ」という説明を添えた。李大統領は、共生発展のために既存の市場経済が新たな段階に進化しなければならないとし、「貪欲経営から倫理経営に、資本の自由から資本の責任に、貧富の格差から共生繁栄に、理念の政治から生活の政治に転換しなければならない」と強調した。
自然生態系では、ある一種が絶滅すれば全体の種に影響を及ぼす。韓国社会の各経済主体のうちどれか一つが崩れれば、大韓民国全体が没落する恐れがあるため、共生発展を図らなければならないという論理だ。昨年から李大統領が強調している同伴成長、共生、公正社会を包括する意味だ。約10年前、欧州の左派政党は、社会主義の矛盾を克服するために「第3の道」(英国労働党)や「新たな中道」(ドイツ社民党)を提示した。李大統領の共生発展論は反対に、右派の観点で市場経済と資本主義に内在した弱肉強食、勝者独食の弊害を是正するものと理解できる。
世界は今、進歩と保守、左と右の特定の理念では克服できない危機に直面している。李大統領が言及したグローバル財政危機、食糧危機、エネルギー危機、貧富の格差、高い失業率、気象変動などもそうだ。このような危機は、個人、階層、地域間に不和と葛藤を生む。重要なことは、具体的解決策だ。李大統領は昨年の光復節で「公正社会」を提示し、公正社会推進80大課題を選定したが、専門家らはその成果に平均点「C」をつけた。共生発展論も大統領が光復節を迎え、何気なく投じた目標ではないだろうが、果たして合理的かつ具体的で、動力を失わない戦略は備えられているのだろうか。
共生発展は、制度改革、意識改革、政策の裏づけが必要だ。政府は、国家が直面した状況を消化し、国民が共感できる青写真と実践案を提示しなければならない。与野党と企業、国民を説得し、参加を引き出すことも必要だ。さらに、韓国社会が共生発展を口実に市場経済を軽視したり、ポピュリズムに振り回されないよう、李大統領が率先して警戒しなければならない。






