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[オピニオン]金国防長官の決然とした瞳

[オピニオン]金国防長官の決然とした瞳

Posted December. 23, 2010 18:19,   

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延坪(ヨンピョン)島での砲射撃訓練があった翌日の21日、金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官は、閣議で李明博(イ・ミョンバク)大統領から「お疲れ様でした」と握手を求められると、こわばった表情で手を差し出した。国会・国防委員会の会議でも、議員らから「お疲れ」と励まされても、終始口を固く閉じていたが、瞳には決然とした光が漲っていた。今月4日に就任して以来、わずか2週目で迎えた初のヤマ場を無事乗りきったものの、手放しで喜ぶわけにはいかなかった。北朝鮮の奇襲的な挑発が、いつ韓国軍の虚を突くか分からない状態だからだ。

◆韓国軍は20日に砲射撃訓練を実施しながら、韓国戦争以来最も緊張した一日を送った。国民も万が一の事態を心配しながら、テレビやラジオに耳を傾けた。気象状態が良くなった午後2時30分、射撃が始まったというニュースが流れると、国中の全神経が延坪島に集中している感じだった。1時間34分後の午後4時4分に射撃を終了した後も、北朝鮮がどう出るか分からず、不安な状況は続いた。「一々対応しない」という北朝鮮の放送が伝わり、とりあえずは胸をなでおろしたが、翌日には、再び、臨津江(イムジンガン)川べりにある愛妓(エギ)峰のクリスマスツリーの点灯式のことで緊張しなければならなかった。

◆北朝鮮が砲射撃に対応しないと引き下がったわけではない。訪朝を終えたビル・リチャードソン米ニューメキシコ州知事は、北朝鮮が「対話への意志」を示したと話した。しかし、不利なときには一歩下がっては、相手が油断するときを狙うのが彼らの常套の戦術だ。金長官と軍は、今後何度も厳しい状況を試されるかもしれない。一度ついた癖はなかなか直るものじゃない。北朝鮮は必ず、また挑発してくる。韓国軍は、一段と覚悟を固くしくてはならない時だ。

◆韓国領海内での砲射撃訓練は主権の行使である。ロシアや中国までが騒ぎ立てることではなかった。そもそもが、早くから挑発してくる度に、きちんと返しておけば北朝鮮の延坪島砲撃はなかったかもしれない。われわれ自身、戦争への恐怖に囚われていた。戦争を覚悟してこそ、戦争を防ぐことができる。金長官は、「挑発への報復は正義の問題だ」と語った。大韓民国の自由と平和を脅かし、全人民を奴隷化した金正日(キム・ジョンイル)体制の不義に敢然と立ち向かうことは、私たちの世代に与えられた貴重な使命なのだ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com