Go to contents

韓国、欧州—アジア—米を繋ぐ「FTAハブ」構想

韓国、欧州—アジア—米を繋ぐ「FTAハブ」構想

Posted October. 07, 2010 02:59,   

한국어

6日午前(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)理事会本部で行われた韓国とEUとの自由貿易協定(FTA)への正式署名は、韓国が世界最大経済圏である欧州との「経済ネットワーク」を完成させたことを意味する。EUの国内総生産(GDP)は、09年基準で16兆4000億ドルと、米国(14兆3000億ドル)を上回っている。

特に、EUは韓国の主要輸出品目である自動車(10%)やテレビなど映像機器(14%)、繊維や靴(最高12〜17%)などの関税率が高く、FTAが来年7月から暫定的に発効され、これらの品目への関税が撤廃されることになれば、韓国企業各社の欧州市場への参入に大きく役立つものと、政府はみている。

対外経済政策研究院や韓国労働研究院などは、韓—EU間FTAが発効されれば、輸出入の関税撤廃効果で、今後15年間、対EU輸出は年平均25.3億ドル、輸入は21.7億ドルが拡大するものとみている。また、それに伴う就業者も、最高24万3000人まで増加するものと見込まれる。ただ、農業分野は今後15年間、年平均3100万ドルの赤字が予想される。

韓国は、米国や日本、中国などに先立ち、EUとFTAを締結したことで、これらの国々との競争でも有利な立場を確保した。

さらに、現在、チリやシンガポール、欧州自由貿易連合(EFTA=スイス、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドで構成)、東南アジア諸国連合(ASEAN)10ヵ国、インドとFTAを交わしており、韓米FTA批准を控えている韓国が、欧州—東アジア—米国をつなぐ「東アジアのFTAハブ」として、浮上する基盤を整えたというのが、政府の説明だ。

韓EU間のFTAは、このような経済的効果を上回る政治、外交的な意味合いも持っている。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は同日、ヘルマン・ファン・ロンパウEU理事会常任議長やジョゼ・マヌエル・バローゾ執行委員長などEU首脳との会談で、今年5月、韓—EU間基本協定の署名に次ぐ、韓—EU間FTAの署名を基に、両者が戦略的パートナーシップ関係を構築することで合意した。李大統領は共同記者会見で、「両者は、新しい次元の関係に跳躍できる歴史的なきっかけを作った」と述べ、「韓国とEUは今後、東西という地理的距離を乗り越え、未来志向的な身近な関係へと大きく発展していくだろう」と強調した。

金姬廷(キム・ヒジョン)大統領府報道官は、「韓—EU間FTA署名には、自由民主主義や市場経済、人権についての価値を共有する哲学が基になっている」とし、「このような『価値同盟』を基に、経済同盟へと進むことになるだろう」と語った。



yongari@donga.com