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[オピニオン]「金日成教」とある牧師

Posted July. 20, 2010 07:58,   

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不法に北朝鮮を訪問中の韓相烈(ハン・サンリョル)牧師が、板門店の北側地域で北朝鮮軍人の助けを受け、望遠鏡で南側を見る写真が昨日ある新聞に載せられた。北朝鮮の朝鮮中央通信が配布した写真だ。写真の中の牧師の表情は、「不思議な南側の国」を見物しているかのように見える。北朝鮮の狙い通りのはずだ。韓牧師は北朝鮮が仕掛けた宣伝演劇で「俳優」の役割を充実に行ったわけだ。

◆韓牧師は6月12日、政府承認なしに中国を通じて訪朝した。彼は6月22日、記者会見を開き、南韓へ向かって、「北朝鮮体制を否定したり無視・侮辱するな」と促した。天安(チョンアム)艦事件と関連しては、「李明博(イ・ミョンバク)式の嘘の決定版」と主張した。6月23日には北朝鮮側が平壌(ピョンヤン)で準備した歓迎群衆集会に参加し、「李明博政府が韓半島に戦争をもたらそうとしている」と主張した。金正日(キム・ジョンイル)に対しては「総書記」、李明博政府は「逆賊党」と呼んだ。使用する言葉や表現を見ると、金正日集団の内部の人の言葉遣いと全く一緒だ。

◆彼のこれまでの行跡を見てみたら、このような姿に驚くこともない。彼は在韓米軍の撤退、国家保安法の撤廃、連邦制擁護など、北朝鮮の対南路線を充実に代弁してきた。金日成(キム・イルソン)の南侵によって無数の民族が殺された韓国戦争を「愛国的統一戦争」と言い、軍の力を利用して独裁世襲体制の強化に乗り出した金正日の先軍政治を「(韓半島)平和政治」と擁護した。北朝鮮が送ったスパイを「統一愛国烈士」と美化したりもした。彼が幹部として所属していた全国連合、統一連帯、進歩連帯はいつも反米闘争の先鋒隊の役割をしてきた。彼にとって反米は、すなわち従北・崇北の他の表現だ。

◆共産主義とキリスト教は元々共存が不可能だ。共産主義自体が一種の宗教に違いないからだ。北朝鮮にも教会やお寺があるが、実際は、信徒のいない偽装に過ぎない。なのに、韓牧師が韓国キリスト教長老会所属の牧師として、「金日成教」の伝播に熱心なような見せるなんて、このようなアイロニーがまたあるだろうか。かえって飢え死にしている北朝鮮住民を助けるとしたら、牧師としても統一運動としても認められるはずだ。韓牧師は望遠鏡で南側を見るのではなく、肉眼で北朝鮮社会の隅々を見てみたらどうだろうか。そして、そこが楽園だったら、居座ることを薦めたい。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com