最近、米フロリダ州オーランドにテーマパーク「『ハリー・ポッター』映画の世界」がオープンした。８万１０００平方メートル規模のテーマパークは、小説「ハリー・ポッター」で主人公のハリー・ポッターが通うホグワーツ魔法魔術学校やホグワーツ急行列車、魔術師が暮らすホグズミード村、魔法の道具など、主要舞台と設定を再現して観覧客を集めている。「ハリー・ポッター」のようなすばらしいコンテンツは、小説、映画、ゲーム、テーマパークなど、プラットホームを変えながら消費者に愛されるという事実を示している。
◆Ｊ・Ｋ・ローリングは、処女作「ハリー・ポッター」シリーズで億万長者になった。「ハリー・ポッター」は、全世界で４億部以上売れ、聖書の次に多く売れた本に仲間入りした。ローリングが、印税や映画、ビデオゲームの版権、キャラクター販売などで得た収入は１０億ドル。韓国ウォンで１兆ウォンを上回る。貧しくバツイチだった女性の頭の中で誕生した「ハリー・ポッター」は、ソフトパワーの重要性を知らしめるのに十分だ。
◆米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が創案したソフトパワーは、軍事力や経済力のようなハードパワーに対比される概念だ。文化や芸術による影響力、好感度、評判を意味する。ナイ教授は、富国強兵を追求した２０世紀とは違って、２１世紀はソフトパワーの時代になると予想した。英国の国営放送ＢＢＣが今年、世界２８ヵ国２万９９７７人を対象に、１７ヵ国が持つソフトパワーをランキングした結果、１位はドイツだった。Ｇ２とされる米国と中国は、それぞれ７位、８位にとどまった。今年１１月のＧ２０サミットの誘致を機に調査対象に初めて含まれた韓国は、１２位を記録した。
◆韓国先進化フォーラムが２２日に開催したシンポジウム「成長潜在力および国家競争力向上」で、韓国開発研究院の車文中（チャ・ムンジュン）研究委員は、「韓国の成長潜在力を画期的に高めるには、ソフトパワーの拡充が必要だ」と強調した。経済が先進化すればするほど、物質的資本や労働力よりも、人的資本と生産性を拡大する必要があり、創意性と革新性が主導する知識集約的産業で比較優位を持たなければならないという車委員の見解は正しい。誠信（ソンシン）女子大学経済学科の姜錫勲（カン・ソクフン）教授は、「魂に訴え、ストーリーが感動的なサービスと製品を生み出すには、創意的な人的資源の開発、すなわち創造力教育が重要だ」と強調した。
鄭星姫（チョン・ソンヒ）論説委員shchung＠donga.com
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