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[オピニオン]趙全赫議員

Posted April. 30, 2010 02:57,   

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李明博(イ・ミョンバク)政府や与党ハンナラ党には日和見主義や事なかれ主義が身についている人が少なくない。「中道統合や実利的な改革」もそれなりに意味はあるが、統合やコミュニケーションにも限界がある。大韓民国を、「生まれてはならない国」と貶める勢力や、最悪の世襲独裁によって国民を餓死させている北朝鮮政権の暴政をかばいながらも、口癖のように民主や進歩を主張する勢力まで抱え込むわけにはいかない。現政権の一部の人は、個人的栄達には神経を尖らせながらも、このような勢力との正面対決を嫌う様子をたびたび見せてきた。

◆ハンナラ党の議員のなかで、趙全赫(チョ・ジョンヒョク)議員(仁川南東乙)は、申志鎬(シン・ジホ)議員などと共に、政権交替の大儀や所信を忘れないよう、努力してきた議員だといわれている。経済学教授出身である趙議員は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、自由主義教育運動連合など、ニューライト系列の市民団体の活動を通じ、「全教組流の教育」が生徒や国家、社会に及ぼす弊害を批判した。国会議員となってからは、修能試験(日本のセンター試験に該当)の学校ごとの成績を公開し、全教組によって検察に告発されたが、今年2月、容疑無しの処分を受けた。全教組としては、目の敵のような政治家である。

◆ソウル南部地裁が、全教組の加盟教師の名簿を公開した趙議員に対し、「名簿を削除しなければ、1日に3000万ウォンずつを全教組に支給せよ」という決定を下し、波紋が起きている。趙議員は、「国会議員の公表行為は、民事裁判の対象になれないのに、裁判部が全教組の仮処分申請を受け入れたのは不当だ」と主張し、憲法裁判所に対し、権限争議審判を請求した。彼は、「毎日3000万ウォンずつを払えば、数日内に自分の全財産を提供しなければならない羽目に置かれるだろう」とし、「しかし、それを恐れて名簿公開を中止すれば、自ら大韓民国の政治家、国会議員であることを否定することになる」と語った。

◆趙議員が、自分のインターネットのホームページで名簿を公開した後、一時、ホームページがダウンするほどアクセスが殺到した。自分の子供を教える教師が、全教組所属の教師であるかどうかが気になる保護者らの関心や懸念がどれだけ大きいのかを示している。裁判所が、国会議員による全教組教師の名簿公開を食い止める権限があるかどうかは、憲法裁で判明されるだろう。しかし、個人的な難しさを甘く受けいれながらも、旬の過ぎた運動圏の論理を、判断能力の落ちる子供らに詰め込んできた全教組と立ち向かってきた趙議員の所信や勇気が一際目立つ。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com