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[社説]天安艦の疑惑解消と軍事機密の管理

[社説]天安艦の疑惑解消と軍事機密の管理

Posted April. 07, 2010 05:23,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件に対する疑惑の解消と軍の軍事機密の保護は、多少二律背反的な側面がある。国民の疑問を十分に解くには、当時の状況を詳細に説明しなければならず、その場合、敏感な軍事機密と関連した内容が公開される恐れもある。事件直後から乱舞したデマや疑惑は、かなりの部分が事実ではないと整理されているが、政府と軍が初期に積極的に対処していたなら、という物足りなさが残る。国防部は、軍事機密は公開しないと言ったが、すでに露出した北朝鮮に対する情報技術のような軍事機密だけでも、国家の安全保障に否定的な影響を及ぼしかねない。

天安艦関連の疑惑のかなりの部分は、沈没の時間が発端だった。軍は、沈没時間を何度も変更した末、「3月26日午後9時22分」と確定した。携帯電話の通話やメールのやりとりが午後9時16分頃に突然途絶えたという一部の行方不明者の家族の主張と、事件発生時間が「9時15分」と謝って記載された軍の状況日誌に関するMBC放送の報道が、疑惑増幅の契機になった。一部のメディアは、MBC放送の報道を受けて、「疑惑の7分間、天安艦に何があったのか」、「解消されない疑惑の7分間」といった推測記事を乱発したが、事実ではないという結論が出た。

沈没時間をめぐる疑惑は、軍が5日、生存した乗員4、5人が26日午後9時15分から9時20分間に通話した記録を確認したことで解消された。暗礁による天安艦の座礁説は、海洋調査院が現地に暗礁がないと明らかにして消えた。疲労破壊説は、地震波の発生確認によって根拠がないという結論が出た。軍は今日、生存した将兵が公の場で話すと明らかにしたが、10日間以上、行方不明者の家族や報道機関と隔離したことも不適切だった。生存将兵が早く沈没当時の目撃談を語っていたなら、不必要な疑惑の解消に役立っただろう。

疑惑解消の過程で、多くの軍事機密が公開されたことは、深刻な問題だ。海軍の戦力や作戦、艦艇の救助と財源だけでなく、北朝鮮の軍事動向の探知能力や方法などがあらわになった。金泰栄(キム・テヨン)国防長官が、国会で韓米情報当局が収集した北朝鮮の潜水艦基地の情報や韓国海軍の艦艇の移動航路まで明らかにしたことは失敗だ。

軍は、国会議員が軍事機密事項を公開するよう要求しても、非公開を条件に説明するか、公開できない理由を説明して、賢明に対処しなければならない。金鶴松(キム・ハクソン)国会国防委員長が、非公開で報告を受けた情報事項をそのままメディアに一つ一つ公表したのも誤りだ。さらに、第2艦隊司令部と哨戒艦「束草(ソクチョ)」間の交信内容を出せという要求もあるが、暗号体系をはじめとする軍事作戦の内容が北朝鮮に露出する危険を伴う。議員も、軍事機密の維持に協力すべきであり、メディアも国家の安全保障を脅かす軍事機密に関する報道は、慎重になる必要がある。