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「不渡りの危機に財産権まで脅かされ、あきれるばかり」

「不渡りの危機に財産権まで脅かされ、あきれるばかり」

Posted March. 24, 2010 02:58,   

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「金剛山(クムガンサン)観光が再開されるのを20ヶ月以上も待っていましたが、ここにきて財産権まで脅かされるなんて…。あきれるばかりです」

25日、2ヶ月ぶりに北朝鮮入りしたイルヨンインベストメント代表のアン・ギョシク氏(写真)の気持ちは重かった。アン氏は、「経営陣の能力ではない外部条件により、企業が揺さぶられる現実に、無気力感をおおぼえる」と語った。

金剛山観光地区内に不動産を所有している韓国側の事業者らは25日、北朝鮮に来て調査に応じなければ、資産を没収するという北朝鮮側の一方的な発表を受け、アン代表は、現代峨山(ヒョンデアサン)の協力会社の関係者らと共に、同日午前、北朝鮮への訪問を決めた。同氏は03年から、金剛山観光事業を開始し、現地にホテル(金剛山ファミリービーチホテル、写真)やすし店を建設した事業家であり、現代峨山の協力会社の会である「金剛山企業協議会」の会長を引き受けている。

アン代表は23日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、最近死亡した金剛山企業協機会所属メーカー「C社」の代表の死亡ニュースを先に伝えた。C社の代表は、事業中止により事実上不渡りに追い込まれ、激しいストレスのため心臓麻痺で死亡した。享年55歳だった。

イルヨンインベストメントの経営状況も、C社と同様に深刻である。アン代表は、金剛ファミリービーチホテル(134億ウォン)や付属施設の建設費などを含め、金剛山観光事業だけに、計147億ウォンを投資したが、観光中止を受け、現在まで60億ウォンの赤字を抱えている。07年前半までは観光客が増え、赤字がやや減る傾向を見せたが、朴ワンジャさん銃撃死亡事件が決定的な打撃となった。

これを受け、イルヨンインベストメントの従業員数は、金剛山ホテルだけでも、北朝鮮の人数を含め計119人だったが、現在は3人へと減っている。同期間、韓国側からの支援人材も15人から4人に削減された。同社の金レヒョン取締役は、「金剛山企業協議会所属企業のほとんどが事実上、不渡りの状態のおかれている」とし、「しかし、資産が全部北朝鮮に凍結されており、不渡りを出したくても出せずにいる」と語った。

アン代表は25日、北朝鮮への訪問調査について、「これまでの複数の前例や北朝鮮の出方などを考慮すれば、単なる脅かしには終わらないだろう」と述べ、「最悪の場合は、投資額の一部だけを補償し、資産を没収する可能性もある」と懸念を示した。これに関連して最近、中国の旅行会社が、開城(ケソン)と金剛山を繋ぐ6日間の観光商品を発売したことにより、北朝鮮が従来の事業権を撤回しかねないという分析に説得力が増している。

梁茂進(ヤン・ムジン)北韓大学院大学教授は、「北朝鮮は、現代峨山による観光代価4億ドルの未払いに触れ、資産凍結の名分として活用する可能性がある」とし、「不動産凍結や滞在人材の撤退、従来契約の破棄、新事業者の選定などの順で、北朝鮮が対応に乗り出しかねない」と主張した。一方、一部では、北朝鮮による資産没収や独占事業権の廃止は、現実的には難しいだろうという主張も出ている。一方、現代峨山は25日の北朝鮮訪問の召集に、現代峨山やその協力会社、韓国観光公社、エマーソンパシフィック(ゴルフ場)など、計33社から52人が出席することにしたと、23日に明らかにした。現代峨山とその協力会社の関係者48人は同日午前、統一部に北朝鮮訪問の申請を済ませた。

彼らは25日午前、ソウルでともにバスに乗り、江原道高城郡(カンウォン・ゴソングン)の東海線・南北出入り事務所(CIQ)を、午前9時40分ごろ通る予定だ。観光公社側は、その前日の24日に北朝鮮入りすることを決めた。事実上、北朝鮮訪問団を率いる現代峨山側の代表には、沈相振(シム・サンジン)金剛山事業所長(常務)が決まった。



sukim@donga.com