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[オピニオン]「本物のトラ」中国

Posted January. 02, 2010 08:55,   

胡錦濤・中国国家主席は、今年の新年の挨拶で、「積極的な財政政策や適切な金融政策で経済成長の質を高める」と公言した。世界的な経済危機に対応するため、国際社会との協力も強調した。胡主席は特に、「中国外交の目的は、世界平和を守り、共に発展すること」とし、「平和的に発展する道を一貫して進んでいく」と強調した。日本のNHKは1日、胡錦濤首席の新年の挨拶について、「景気後退から一番先に抜け出し、世界経済回復の牽引車としての役割を果たしつつ、国際的な地位や発言力が高くなった中国に対する警戒心が国際社会で広がらないようにけん制しようとする目的がある」と分析した。

◆国際通貨基金(IMF)は、昨年、世界経済の成長率をマイナス1.1%、先進国グループの経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均成長率をマイナス3.4%と推定した。米国(2.7%減)、日本(5.4%減)、欧州連合(4.2%減)はいずれも後退した。反面、中国国家情報センターは、昨年、自国の成長率を8.5%と予想した。中国の国内総生産(GDP)は、今年、日本を抜いて世界2位に浮上する見通しだ。

◆米国は1985年、経常収支の赤字を減らすため、日本円やドイツ・マルクの大幅な切り下げを強要し、これを貫かせた。しかし、当時の「プラザ合意」のような米国主導の国際経済秩序の調整システムは、中国の急浮上と共に崩壊した。米国は中国に対し、人民元の切り下げを重ねて促したが、中国は「米国の過度な消費が問題だ」と主張し拒否した。民主主義と市場資本主義という共通の価値を持った先進国の主要7カ国(G7)体制とは違い、政治的権威主義・経済的国家資本主義体制の中国が米国と対座するG2体制は、協力に劣らず対決の危険性をはらんでいる。その分、不安であるわけだ。

◆韓国は、1960年代序盤、中国より先に輸出主導の産業化に乗り出した。我々は「先発走者の利点」を享受すると同時に、中国が1960〜70年代、文化革命という名の「政治強風」に巻き込まれていた間に、中国より豊かな国を実現した。しかし、中国経済の急成長により状況は急変しつつある。「中国」という変数に賢く対処できなければ、どのような衝撃がもたらされるか知らない。中国の動きや変化をきちんと読み取らなければならない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com