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[社説]観光産業の付加価値を高めるためには

[社説]観光産業の付加価値を高めるためには

Posted November. 21, 2009 09:15,   

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文化観光部は昨日、「曜日制休日」制の指定と来年上海エキスポの際、韓中無ビザ入国推進を柱とした「韓国観光先進化戦略」を打ち出した。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「(外国人観光客の)数も重要だが、クォリティー(質)を高める必要がある」と話した。しかし、同日発表された内容には、医療観光や国際会議コンベンション(MICE)のような観光サービスの付加価値を画期的に高める政策が抜けている。

タイは1997年、経済危機の打開策として医療観光に目を向け、07年には154万人の海外患者を誘致し、1兆6000億ウォンの収入を上げた。タイの医療サービス産業の競争力を高めたカギは、営利医療法人の許容と海外開放だった。韓国の医療競争力は、相当な水準であるにも関わらず、数々の規制が足を引っ張っている。

一昨日発表された「新成長動力拡充のための規制改革推進計画」にも営利医療法人の許容は含まれていなかった。教育と医療をもっぱら公共的分野とのみ捉え、営利を「悪の軸」のように考える時代遅れで偽善的な「考え方」が依然として根強い。

医科大学の人気が高いのは、お金をたくさん稼いでお金持ちになろうという人が多いからだ。公教育は強力な営利の威力を発揮する私教育に囲まれて久しい。このようなことが現実であるから、営利医療法人の許容、教育市場の大幅な開放などを通じ、外国人を呼び込み、国内ドルの海外流出を減らすのが国益につながる。つまり、サービス産業の画期的な発展を成し遂げてこそ、内需基盤の拡充や経済構造の不安の緩和が可能であり、その中で「お金をたくさん使う観光客」の誘致も具体化する。

医療が持つ基本的な公共性を生かしつつ、サービス産業としての付加価値を促進できる道があるはずだ。営利法人の進入を自由化すれば、財政を社会の弱者らにさらに集中することもできる。海外観光客に人気が高い整形と皮膚科だけでも優先的に門戸を開く必要がある。

「お金をたくさん使う観光客」は、それ相応の誘引がなければ来ない。02年だけでも1人当りの国内総生産(GDP)が済州島(チェジュド=1400万ウォン)と同じぐらいだったマカオ(1万4000ドル)は、最高級ホテルとカジノを拡充したことで、観光客が急増し、07年は1人当りの所得が3万6500ドルに急成長した。1万ドルに落ち込んだ済州島とは対照的だ。

李大統領は、「経済が成長しても働き口が付いていけないのが問題だ」と話す。その悩みを解決してくれる産業が観光分野だ。しかし、政策当局者らからさらに柔軟で開かれた姿勢で規制の壁を取り壊してこそ、解決の道が見えてくるだろう。文化部が指摘した中低価宿泊施設の改善も肝心だが、それぐらいの観光インフラでは高級観光客を国内へ呼び込んで財布を開かせることができない。