大統領は通常、在任中に、定期国会の開会や新年の予算案施政演説をはじめ、10回あまり国会で演説する機会がある。歴代の大統領は、このような機会を活用するよりも、回避する傾向を見せた。朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領は在任16年間で7回、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は在任7年間で5回、演説した。その他の大統領は首相に代読させた。権威主義時代はそうだったとしても、民主化以降もこのような回避現象は相変わらずだった。慮泰愚(ノ・テウ)元大統領は4回、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は3回、金大中(キム・デジュン)元大統領は1回、慮武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領は4回演説しただけだ。
◆金大中元大統領の任期最後の年の02年10月7日には、新年予算案施政演説をめぐり、ひと騒動あった。朴𨛗用(パク・クァンヨン)国会議長が、3ヵ月前から大統領の演説を要請し、大統領府も好意的な反応を示したが、当日の朝、金碩洙(キム・ソクス)首相が代わりに現れたことで、朴議長が1時間にわたり、本会議の司会を拒否したのだ。予算案施政演説に対する大統領の関心は特に低く、これまで大統領の演説は、88年(慮泰愚)、03年(慮武鉉)、08年(李明博)の3回にすぎない。
◆李大統領が昨年とは違い、今年の予算案施政演説は鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相に任せた。金炯旿(キム・ヒョンオ)国会議長が、「予算案施政演説は、国民の税金に対する政府の意志を盛り込んだ青写真であるため、大統領が演説することを伝統と慣例にしなければならない」と要請したが、李大統領は応じなかった。歴代の3回の予算案施政演説で見るように、就任1年目以外は首相が代読した慣例を前面に出したのだ。李大統領は同日午前、ラジオとインターネットを通じ、27回目の対国民演説は予定通りに行った。どうみても体裁はよくない。
◆大統領が国会に出て演説すれば得ることは多い。まず、国政に関する国会の協力を得ることが容易になるだろう。国会に対する尊重と国民との疎通においても必要なことだ。もし、国会の壇上に立つことを権威の損傷と感じたり、演説の途中にあるかもしれない野党のヤジや騒乱を心配するなら、国家指導者として狭量という声を聞くだろう。李大統領が、国会演説に関する限り「首相の代読」をなくす慣行をつくることを願う。
李進寧(イ・ジンニョン)論説委員jinnyong@donga.com






