最近の学生は、以前よりも身長と体は大きくなったが、体力が益々低下しているという。教育科学技術部の国政監査資料によると、08年、小・中・高校の学生のうち、体力があることを意味する1、2ランクの割合は33%で、00年の41%より8ポイントも減少した。一方、体力が劣る4、5ランクの割合は42%で、同期間に11ポイント増加した。中でも、大学入試準備に忙しい高校3年生の体力低下が最も深刻で、49%が4、5ランクだった。
◆このように、「体だけ大きな軟弱な子ども」が増える理由は、過度な学習負担、テレビの視聴とインターネットの使用など、体を使わない活動の増加、体育活動の減少、ファーストフードの摂取といった西欧式食生活などが、複合的に作用したためだろう。特に、高校3年生になれば、体育の授業は時間割にあるだけで、実際は自習時間や補修授業に替わるのが常だ。入試ストレスが激しい学生と学校側の事情に共感しながらも、受験生の時にランニングなど体育活動を多くする外国の学校を想起せざるを得ない。
◆韓国の受験生は運動時間を惜しいと考え、勉強だけをする。しかし、このような生活スタイルが学習効果を下げるという研究結果が多い。運動は、古い神経細胞間に連結網を作り出し、脳細胞に酸素と栄養を供給する。分子生物学者ジョン・メディナは、運動をすれば脳にBDNF(Brain−Derived Neurotrophic Factor)という向精神性物質が作られ、同物質が知的能力を向上させるという研究結果を発表した。米ハーバード大学のジョン・レティ教授は、「運動は集中力を高め、落ち着きを取り戻し、衝動性を下げる」と説明している。
◆01年、米デューク大学の研究チームは、ネズミで実験した。運動をしたネズミが、そうでないネズミに比べ、記憶、計画、組織、問題解決能力など高難度の頭脳活動力が高かった。一言で言えば、利口になるということだ。運動と学習能力の緊密な相関関係を信じてもよさそうだ。一日中勉強だけするよりも、適度に運動するのが望ましい。逆に、韓国の学生の体力低下は、学力低下を意味し得る。学力を高めるためにも、学校の体育授業を充実させ、学生の体力を体系的に管理する必要がある。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委 shchung@donga.com