Go to contents

[オピニオン]「連邦制統一」の欺瞞性

Posted July. 13, 2009 08:25,   

한국어

韓半島の連邦制統一案は、1960年に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席が初めて創案した。4・19革命が起こった年だったので、韓国の政局の混乱を赤化統一に利用しようという下心だったのだろう。1950年の6・25南侵後、10年ぶりに再び訪れた機会と考えたことだろう。韓国側の反応がないと、金日成主席は、73年の「高麗(コリョ)連邦制」を経て、80年には「高麗民主連邦共和国創立案」を出した。連邦制は、10年周期で韓国側の混乱期を利用したという共通点があるが、統一戦線戦術の一形態にすぎない。

◆金日成主席は、「高麗民主連邦共和国」案に3つの条件をつけた。第一に、反共法、国家保安法の廃止と共産党の合法化、韓国の「民主政府」樹立、第二に、休戦協定の平和協定への転換と在韓米軍の撤収、第三に、自主、平和、民族の大団結だ。「1民族1国家2体制2政府」案というわけだ。赤化統一の欲望を隠した偽装戦術にすぎない。「統一のない統一」は、言葉遊びに相違ない。韓国の警戒心を緩めて、韓半島を赤化しようとする欺瞞に乗せられてはならない。

◆統一は、一つの理念、国家、体制、政府で統合するものだ。北朝鮮社会に人類の普遍的価値である自由と民主、人権、市場経済を受け入れる変化が起きてこそ可能なことだ。韓国国民の10人に7人が、漸進的な統一を望むという民主平統の調査結果もそのような脈絡だ。韓半島の統一は、憲法前文と第4条にあるように、「自由・民主的基本秩序に則った平和的統一」でなければならない。「民族」、「自主」、「団結」といった曖昧な表現に包装された連邦制案は、「憲法破壊」であるだけだ。

◆90年に結成された汎民連は、北朝鮮の指令の下、米軍撤収、保安法の廃止とともに、連邦制を主張した。97年に最高裁判所で利敵団体と規定された後も、「進歩」の仮面をかぶって活動を続けた。彼らが、重要視する6・15南北宣言も、連邦制と金大中(キム・デジュン)元大統領の国家連合制を無理に同居させたものだ。同宣言は、最近、韓米首脳会談で発表された「韓米同盟共同ビジョン」が韓国憲法の統一原則を強調したことで、事実上廃棄された。統一教育の混乱をこの機に正す必要がある。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com