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[社説]最高裁判事巡る混乱、最高裁長官のリーダシップと決断が必要だ

[社説]最高裁判事巡る混乱、最高裁長官のリーダシップと決断が必要だ

Posted May. 21, 2009 07:17,   

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申暎𨩱(シン・ヨンチョル)最高裁判事の進退問題を巡る司法府内外の反目がますます混乱を極めている。全国の地方裁判所や高等裁判所の一部判事が、10日以上、申最高裁判事の辞任を迫っているが、同僚の朴時煥(パク・シファン)最高裁判事は、「今は手続きと規定を守ることができない革命的状況だ」と主張し、判事の集団行動を扇動するような態度を見せた。朴最高裁判事は、メディアに真意が誤って伝えられたと釈明したが、敏感な時に不適切な発言をし、司法府の状況に油を注ぐ格好となった。

司法府が、このように混乱しているにも関わらず、最高責任者である李容勲(イ・ヨンフン)最高裁判所長官は、無責任な沈黙で一貫している。事態が鎮静化しない間に、申最高裁判事問題は政界にまで飛び火した。丁世均(チョン・セギュン)民主党代表は、申最高裁判事に対する弾劾訴追を発議する政治攻勢の材料とした。一方、李会昌(イ・フェチャン)自由先進党総裁は、「退く人は、むしろ後から煽いでいる(朴時煥)最高裁判事だ。朴最高裁判事は、法官の素養と資格を備えていない卑怯な人だ」と非難した。政界の代理戦の様相を呈している。

司法府自ら、冷静と秩序を取り戻すことができなければ、一部の憂慮のように、歴史上5度目の「司法波乱」の激動が押し寄せるかもしれない。判事らは、憲法と法律の所定手続きを経て、任命された申最高裁判事に辞任圧力を加えることが何を意味するのか、明確に認識しなければならない。判事らが、裁判の独立を規定した憲法条項は重要視し、身分保障条項は、申最高裁判事を追い出すために背を向ける矛盾を犯している。朴最高裁判事は、今の司法府の状況を、独裁政権に対抗した4・19や6月抗争の時のような革命的状況だと誇張し、このような状況では身分保障条項などは考える必要はないという危険な認識を露呈した。

裁判所組織法と最高裁判所の規則によると、事務運営に関する事項を審議する判事会議は、最高裁判事の進退問題まで論議する権限はない。この会議が、最高裁判事の進退問題まで触れる越権を行なうなら、すでに「裁判関与」論議の次元を超え、理念的・政治的問題に変質したという事実を物語っている。その底辺には、朴最高裁判事が主導的な役割をしてきた「ウリ法研究会」という進歩性向の判事の会が根深い影響を及ぼしているというのが、多くの法曹関係者の見方だ。

今は、司法府および法官の独立を実質的に保障するための制度的補完など、本質的な問題に向け、真摯な研究検討をしなければならない時だ。若い判事らが、保守性向の申最高裁判事1人を生贄にする「烙印」や「魔女狩り」の理念的ポピュリズムから早く抜け出さなければならない。司法府の急速な権威と信頼墜落につながる前に、李長官のリーダーシップの発揮と断固たる決断が必要な時だ。