「『ポスト・チャイナ(Post China)』の代案であるCLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)を囲い込め」
中国が生産基地や製品市場として魅力を失う時期である「ポスト・チャイナ」に備え、東南アジア諸国連合(ASEAN)が注目されている。その中でも韓国政府と企業が視野に入れている国はCLVだ。ASEAN諸国はもう先進国が主導権を握っているタイやシンガポールなどに比べ、投資の機会が相対的に多い。「圧縮成長」を成し遂げた韓国に対する好感も高い。来月初め、済州(チェジュ)島で行われる「韓—ASEAN特別首脳会議」の開催を控え、ASEAN諸国への関心がさらに高まっている。
●エネルギー資源の先取りがカギ
韓国とCLV交易のカギは、「エネルギー資源」だ。昨年5月基準に韓国の対ASEAN輸出製品トップは石油製品だった。ASEANから輸入する製品の2〜4位も天然ガス、原油、石油などエネルギー製品だった。韓国はCLVから資源を輸入して国内で加工し、再びこれらの国々へ輸出する。
知識経済部(知経部)はCLVに「資源道路」をうまく敷くため、4日、「エネルギー資源使節団」を派遣する。知経部の関係者は、「CLV3国はエネルギー資源の開発可能性が高いが、これまで政治的な不安がくすぶっていたため、先進国が投資を憚っていた」とし、「もう政治的な安定度が高くなっただけに、急いで進出し、資源開発など有望なビジネス機会を先取りしなければならない」と説明した。
各企業も資源開発の潜在力が高いCLVに対する投資を本格化した。GSカルテクスは資源開発国としてはまだベールに包まれているカンボジアで可能性が探っている。13年以後、目に見える成果が出ると見て、油田開発のための探査を進めている。典型的な農業国から鉱物開発国へ転換しているラオスでもソドン企業など中小企業が開発権を獲得して探査に取り組んでいる。
CLVは中国より格安な労働力も魅力だ。ベトナム、インドネシアなどは1ヵ月の人件費が中国の10分の1ぐらいなので、企業からも脚光を浴びている。
●圧縮成長のノーハウを教えることで親密に
ASEANの隠された宝石であるCLVに対する中国や日本など競争力の攻略も活発だ。特に、東南アジア諸国には華僑がしっかりした基盤を築いていることから、中国が有利な立場を獲得している。日本もベトナムを中心に早くから投資拡大に乗り出している。
専門家らはCLVで中国と日本を攻め込む武器として韓国の「圧縮成長」のノーハウを挙げる。相対的に立ち遅れているASEAN諸国が韓国が成し遂げた圧縮成長をベンチマーキングするための動きを本格化しているからだ。
実際、韓国とCLVの間では民官が共同で建設・繊維・機械産業に対するノーハウの伝授が活発に行われている。中小企業振興公団は、ASEAN諸国が高い関心を示す人材養成教育を実施している。韓国農漁村公社は、「農村韓流」の伝播に向け、カンボジアなどを中心に農村開発技術の伝授に取り組んでいる。知経部の関係者は、「ベトナムの場合、中国や日本よりは韓国のように30年ぶりに圧縮成長を実現したモデルを理想的だと判断し、見習おうと努力している」と説明した。
achim@donga.com