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[オピニオン]風船効果

Posted April. 22, 2009 03:08,   

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「大多数の男性の基本的な欲求を抑圧し、従事者らの職業選択の自由を侵害する」。04年9月、性売買特別法が施行されてから1ヵ月後、ソウル江南(カンナム)にあるスポーツマッサージ店の経営者の金某氏が性売買特別法は違憲だと主張し、憲法訴願を起した。1年が経過し憲法裁判所は却下の決定を下した。請求人が性売買などに関わったことがないため、職業選択の自由など基本権が侵害されたと判断するのは難しいという理由からだ。

◆性売買特別法が施行されてから2ヵ月で6791人が性売買事犯として摘発された。インターネットを介しての性売買から風俗店、出張マッサージ、休憩部屋、スポーツマッサージまで多様な性売買のルートが明るみに出た。性売買に携わる女性たちが集団居住する集娼村は、大きく縮小した。片方を圧迫すると、もう片方が膨れ上がるいわゆる「風船効果」だ。性売買事犯は05年1万7248人、07年3万6705人へ日増しに増える。ソウル長安洞(ジャンアンドン)の不法性売買業所は相当数が店を閉めたが、住宅街やオフィスビルへさらに広く密かに輪を広げた。ついには、ソウル江南の真ん中に10階建てのビルを丸ごとレンタルして、酒を飲めるバーから寝室まで揃えた「フルサロン」が摘発された。いくら抑えようとしても絶対破れない「高級な大型風船」というところなのか。

◆ソウル彌阿洞(ミアドン)で性売買の休憩部屋を7ヵ月間運営した経営者が摘発されたが、罰金を納めても5億ウォンが残ったというから性売買は根絶され難い。処罰の度合いを画期的に強めて、性売買の根を絶つか、それとも日本のようにレッドライン(禁止線)を引いておき、特定地域の外への広がりを防止するのも代案になり得る。性売買の密集場所が別に設けられているエクアドルでは、「性売買兔許」を持つ女性が元気で、金もたくさん稼いでいるという調査がある。性売買も他のビジネスのように、不法へ追い込むほど、かえって危険費用がかさ張るというのが英エコノミスト紙の持論だ。

◆米サンフランシスコは昨年11月、性売買の合憲化をめぐって住民投票を実施した。合法化することで人身売買や組織暴力、麻薬といった関連犯罪を減らし、健康と安全も守れるという論理とその逆だという意見が対立した。結果は、賛成42%に反対58%で否決となった。それでもマッサージ店やスパといった類似業所はまだまだ繁盛していると、サンフランシスコ・クロニクル紙は報道した。「それほど人間は二重的」ということだ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com