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市場放出の資金で押し上げられた株価…個人投資家に「火傷注意報」

市場放出の資金で押し上げられた株価…個人投資家に「火傷注意報」

Posted April. 13, 2009 07:53,   

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途方にくれているのはチャン氏だけではない。昨年末、綜合株価指数(コスピ)が900ポイント台を割り込み、市場がパニック(心理的恐慌)状態に陥った時に低価格での買い付けチャンスを逃した多くの個人投資家(アリ)は、追加の買い付けか、それとも見守りかという選択の岐路に立たされて迷っている。

投資家の迷いは、豊富な市場の流動性が招いた証券市場のうなぎのぼりの上昇ぶりによるものである。コスピは先月初頭以来、30%近く値上がりし、株式型ファンドの中にはこの1ヵ月間、収益率が30%を超える超ヒット商品が相次いでいる。

証券市場の周辺では、景気低迷の中で株価が高騰する現象は果たして正常なのか、また、このような時期には投資戦略をどう立てるべきかなどを巡っての議論が盛んに行われている。

●コスピ、ドル基準で最高の伸び率

12日、三星(サムスン)証券は、3月の最安値以降最近までの主要国の証券市場の変動率を調査した結果、韓国のコスピは先月2日から今月9日にかけて、29.20%の値上がりを記録した。これは、ロシアのRTS指数(50.34%)や香港のハンセン指数(31.35%)に次いで3番目に高い伸び率だ。

景気浮揚策への期待のため、年明け以降着実に値上がりしてきた中国上海綜合指数は、同期間の上昇幅が14.89%に止まっており、金融危機がやや下火となった米国ダウ指数も23.47%と、コスピには及んでいない。

各国の指数の変化をドル基準で見ると、コスピはほぼ独走する様子を呈していいる。同期間、ドル基準に換算したコスピの上昇率は54.23%と、主要国のうち最も高かった。

一時、1ドル=1500ウォン台を上回っていたウォン安ドル高が安定を取り戻し、ドル建ての韓国企業の株価がその分だけさらに値上がりしたためである。ドルを持ち込んで韓国株を購入した外国人投資家は、ウォン高ドル安や株価上昇の効果を両方とも享受している。

株価指数が高騰し、この1ヵ月間30%以上の収益率を上げたファンドも珍しくない。ファンド評価会社「ゼロ・イン」によると、10日基準で1ヵ月間の収益率が30%以上の国内株式ファンドは、三星投資信託運用の「三星金融強国、コリア株式転換型2」(37.08%)など5つにも上る。ファンドにおいては最高の好況振りを示した06年も、短期間の収益率がこれほど高かったファンドは珍しい。

証券市場の過熱振りは、出来高の増加傾向からも確認できる。コスピとコスダックを合計した全体株式市場の出来高は、9日と10日の2日間連続して12兆ウォンを突破し、年中最高値を更新した。三星証券は10日付の報告書で、「出来高が10兆ウォンを超えれば株価調整が現れたかつての事例から見て、短期高騰による市場の過熱振りを疑ってみることもできる」と指摘した。

●「今は過熱局面」差益の実現を少しずつ行うべき

このような証券市場の上昇ぶりは、多くの専門家が「いつか1度は来るだろう」とかねてから予想していた局面だ。景気低迷に対応するため、各国が我先に金利を引き下げて資金を供給し、信用収縮が緩和される兆しが現れ始め、銀行に集まっていた市場資金が証券市場へと流入し、指数を押し上げているのだ。

さらに、適当な投資先を見つけることができなかった外国人投資家らが比較的優良な韓国株を買いつけ、国内証券市場の流動性相場が予想より早めに現れている。

金融投資協会によると、投資家らが株式購入のために証券会社の預けておいた顧客預託金は9日現在、15兆483億ウォンであり、昨年末に比べて6兆ウォン近く増えている。

李鍾雨(イ・ジョンウ)HMC投資証券リサーチ・センター長は、「経済指標の墜落スピードは必ず減速する時があり、今こそ、その時期である」とした上で、「金の力で株価を引き上げる流動性相場だ」と分析した。

グローバル金融会社の業績に改善の兆しが見え始め、米国の消費や住宅売買など、一部の景気指標が上昇へと転ずるなど、実体経済の回復への期待のため、株価が値上がりした側面があることも事実だ。

しかし、専門家らは今は確かに加熱ぶりであると、口をそろえている。また、今の景気状況の下では急騰振りが続くはずがなく、徐々に差益の実現を図りながら、現金化する必要もあるとアドバイスした。

韓国投資証券の金ハッキュン研究員は、「今の指数は売り買い交錯のピークと思われ、株価も企業利益に照らしてみた際、決して割安とはいえない」とし、「今回の上昇時期を逸した投資家らは手遅れに飛び込まず、株価が一度調整を受けた時、投資するのが望ましい」と語った。



jarrett@donga.com baltika7@donga.com