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[社説]「開城工団抑留」金正日集団は実に問題

[社説]「開城工団抑留」金正日集団は実に問題

Posted March. 10, 2009 03:07,   

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北朝鮮が9日、南北軍通信線を一方的に遮断し、開城(ケソン)工業団地から帰ってくる韓国国民80人の帰還を阻止した。事実上抑留にあたる重大な挑発である。彼らを含め、開城工団に滞在中の韓国国民573人の安全が心配される。昨年、金剛山(クムガンサン)観光客射殺事件以降、緊張を高めてきた北朝鮮が、ついに開城滞在者の身辺をも脅かす事態に至ったのだ。政府は、あらゆる手段を動員して、彼らの安全から確保しなければならない。

北朝鮮は、韓米合同軍事演習であるキー・リゾルブ演習を理由に、通信線を遮断した。国連軍司令部が、北朝鮮に事前通知と参観要請までした演習を「北朝鮮侵略演習」だと主張し、ついにこのような事態に至らしめたのだ。正常な国家なら、想像もできない火遊びである。鋭い対峙状態では、些細な誤った判断が衝突につながる恐れがある。これを阻止するために設置したのが、軍通信線だ。これを断つ行為が、韓米両国はもとより国際社会でどのように判断されるか、畏敬の念をもって知るべきである。

通信線の遮断と開城工団滞在者の抑留は、「東海(トンヘ、日本海)・西海(ソヘ、黄海)地区南北管理区域の通行・通信・通関の軍事的保障に向けた合意書」と韓国側関係者の通行、滞在、身辺の安全を保障した合意書を紙くずにした。今後、北朝鮮はどの面で、6・15と10・4宣言の遵守を要求するのか見ものである。

経済の惨状に対する住民の不満を外部に向けるようという考えなら、誤算だ。金正日(キム・ジョンイル)総書記は、度重なる北朝鮮の脅迫と挑発にもかかわらず、なぜ韓国社会がまったく動揺しないのか、深く考えなければならない。北朝鮮は昨年12月、韓国側の開城工団訪問を制限する措置を取った後も、北朝鮮側労働者の数を増やし、その数は3万8000人にのぼる。開城工団の「果実」を享受しながらも、表では挑発的言動をする北朝鮮の実体を知っているからだ。

9日に実施された最高人民会議代議員選挙でも、例外なく「賛成率100%のショー」が再演された。21世紀に、このような非民主的な国家は、地球上にほとんどない。自主と平和を口にしながら、すきさえあれば脅しをかけてくるこのような北朝鮮の主張に、誰が真剣に耳を傾けるだろうか。

政府は、北朝鮮の全方位脅迫攻勢に毅然として対応し、開城工団滞在者の安全確保に万全を期さなければならない。北朝鮮を刺激するよりも、対話と国際社会との協力を通じて、問題を解決しければならない。