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[社説]韓国を苦しめる保護主義の波が押し寄せる

[社説]韓国を苦しめる保護主義の波が押し寄せる

Posted February. 27, 2009 08:58,   

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グローバルな経済危機で、保護貿易主義が拡散するという憂慮が現実のものとなりつつある。最近2ヵ月あまりの間に、韓国に対して実施・検討中の貿易規制が、13ヵ国42件にものぼる。月平均10件未満だった例年の2倍だ。「新たな保護主義障壁を作らない」ことで合意した昨年11月のG20首脳会議が色あせている。

一国が貿易障壁を高めれば、相手国も対抗するものだ。米国が、自国の公共事業には、米国産の鉄鋼製品だけを使うようにする「バイ・アメリカ(buy America)」規定を作ると、中国はこれを非難し、「バイ・チャイナ(buy China)」は無いと言ったが、造船や軽工業育成政策などで、保護主義の色彩を帯びている。日本も、関税および非関税障壁を高めつつある。

保護主義政策の拡散により、グローバルな景気回復が遅れると専門家たちは警告する。保護主義が報復の悪循環を生み、危機に対応する国際協力にもひびが入る。結局、輸出依存度が高い韓国などが、最大の被害を受けることになる。輸出企業は、相手国の保護貿易措置をもたらす恐れが高いダンピングや談合などを慎まなければならない。政府と企業は、外国の政策変化に関する情報を共有し、機敏に対応する必要がある。

金融保護主義まで現われている。自国の銀行だけで融資などの取引をしたり、自己資本拡充のために第三国に投資した資金を回収したりしている。自国の金融産業保護の次元で、外国資本に対する規制強化も行なっている。この場合も、先進国より韓国のような新興国家への打撃が大きい。新興国家が、4月にロンドンで開かれるG20首脳会議で、国際金融規制の枠組みを設けようと主張するのもこのためだ。

先進国は、大規模な救済金融が、経営悪化の外国企業に流れるか心配で、保護主義緩和への思い切った対策づくりに消極的だ。韓国政府は、今年のG20首脳会議の共同議長国の地位を活用して、保護主義障壁除去に向けた議題設定(アジェンダ・セッティング)とムードづくりに最大限のリーダーシップを発揮する必要がある。