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[オピニオン]通信ビッグバン

Posted January. 22, 2009 08:39,   

18世紀半ば、英国での産業革命が始まって以来、世界経済の画期的な跳躍をけん引したいくつかの中核産業があった。蒸気機関の発明は、農業社会の動力の限界を越え、綿織と製鉄産業の発展をもたらした。19世紀の鉄道産業は、1次産業革命の最後の花火だった。20世紀後半、急成長した通信と電子産業は、情報革命の時代を切り開いた。

◆韓国最大手の通信会社KTが、子会社であるKTFと合併計画を発表したことを受け、通信業界が新たな戦いが始まる。李錫采(イ・ソクチェ)KT社長は、「有無線の統合と放送通信の融合という世界的な流れに足並みをそろえた今回の決定が、新しいサービスと仕事の創出につながると思う」と強調した。しかし、鄭万源(チョン・マンウォン)SKテレコム社長は、「KTとKTFが有している有無線通信市場の独占力と支配力が転移し、通信市場全体で公正な競争による産業発展が、根本的に封じ込められる」と反論した。LGグループの通信系列3社は、「合併不許」を主張する一方、合併が避けられないのであれば、競争を促せる環境整備が先行されなければならないと主張し、SK側と「温度差」を見せている。

◆無線通信1位のSKテレコムが昨年、有線通信業者のハナロテレコム(現、SKブロードバンド)を買収したことに続き、有線通信1位のKTと無線通信2位のKTFの合併が実現すれば、韓国内の通信業界は本格的な「ビッグバン」を迎える。KTとKTFが合併した場合、売上19兆ウォン、総資産23兆6000億ウォン、従業員数3万8000人の超大型の単一通信会社が誕生する。これに対抗し、SKとSKブロードバンド、LGテレコム・LGデイコム・LGパワーコムの合併も時間の問題だ。KT、SK、LGグループが、それぞれ一つの大型通信会社の体制を整え、真剣勝負に取り組む可能性も高い。

◆このような出来事では、決まって合併賛成と反対の論理がどちらもそれなりに筋が通っている。しかし、賛否両論を国民経済レベルで総合的な得失に換算するのは、決して簡単でない。統合承認の可否を決定する放送通信委員会や公正取引委員会など政府の悩みも深いだろう。メディア融合時代を迎え、さらに重要となった通信事業の成長と消費者の利益、全体経済への波及効果を極大化しつつも、不公正競争という批判が出ないようにする知恵が切実に求められる。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com