米大統領の就任式が真冬の1月20日に行われるようになったのは、第32代フランクリン・ルーズベルト大統領(1933〜45)が連続当選に成功して任期を始めた1937年からだった。その前は、ジョージ・ワシントン初代大統領、そして前任者の死亡など、特別な事情があった大統領を除いては、ほとんど3月4日に就任式を行った。1月の就任式は、大統領当選から就任まで3ヵ月以上かかる問題を解消するために、任期開始の時点を1月20日の正午と定めた修正憲法21条が1933年に批准されたことによるものだ。ロナルド・レーガンは1985年、厳しい寒さのため、議事堂の中で就任式を行い、パレードも取り消した。
◆バラク・オバマ次期大統領は、20日の就任式に出席するため、17日正午、家族や友人、補佐官をはじめ、特別に選抜した「普通の米国人ら」と一緒に、列車に乗って、ペンシルバニア州のフィラデルフィアを発った。デラウェア州ウィルミングトンでジョセフ・バイデン次期副大統領夫婦が搭乗し、メリーランド州ボルチモアでは歓迎レセプションも開かれた。このため、列車はフィラデルフィアから220キロ離れたワシントンに着くまで6時間半もかかった。列車の名前は「オバマエクスプレス」だったが、速度は鈍行だった。
◆オバマ一行が乗り込んだ列車は、旅客用列車会社の「ファーストコーチレール」の「ジョージア300」モデル列車をレンタルしたものだ。1930年代に初めて製作されてから、現代風に改造された。ホテル並の室内インテリアに寝室、食堂、キッチンまで備えられている。1992年のジョージ・ブッシュ大統領、1996年ビル・クリントン大統領、04年ジョン・ケリー民主党大統領候補も、選挙遊説の時、この列車を利用した。オバマ氏も昨年4月、選挙遊説の時に利用したことがある。
◆オバマ氏が列車でワシントン入りしたコースは、彼の政治的な師匠と言えるエイブラハム・リンカーン大統領の1861年の就任式の時を連想させる。リンカーンは、イリノイ州のスプリングフィールドからワシントンに行くまで12日もかかり、フィラデルフィアからワシントンまで列車を利用した。飛行機が発明される前だったリンカーン時代には汽車旅行が最善だったはずだが、専用のチャーター便も珍しくない今の時世にオバマ氏が列車でワシントンへ行ったのは、リンカーンの白人黒人統合のイメージを蘇らせるためと思われる。オバマ氏の列車が米国を生き返らせる希望の列車になれるかどうか、目が離せない。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com






