「数百人の乗客が、検査台の前で、大声で叫んでいる。並んでいる列は、一向に縮まる気配がない。4ヵ所しかない発券窓口はごった返し、空港への道路は、すでに駐車場と化してしまった」
AP通信などの外国メディアは、1日現在、タイを抜け出せる唯一の通路であるパタヤ・ウタパオ国際空港の状況をこのように伝えた。
タイ反政府デモ隊のバンコク空港占拠が7日目に入り、混乱が大きくなっている。さらに、親政府デモ隊の大規模デモまで始まり、反政府デモ隊との武力衝突が憂慮され、危機感はますます高まっている。
▲足止めの乗客、30万人に〓タイ政府は、バンコクから南方に140キロ離れたウタパオ国際空港を利用して、乗客を緊急輸送しているが、状況は改善していない。1日約700機の航空機が離着陸するバンコク・スワンナプーム国際空港と違い、ウタパオ国際空港は1日最大で40機の離着陸しか消化できないためだ。
外国メディアは、「バンコク空港が閉鎖され、これまで約24万人が足止め状態になったと推算している。デモ隊が空港から撤退しても、空港の設備やセキュリティ装置などを点検して、空港を正常稼動するのに1週間以上かかることを考慮すると、30万人以上が被害を受けるだろう」と伝えた。
今回の事態で、タイ政府は、足止め状態の乗客に宿泊と食事を提供するなど、毎日110万ドル(約16億600万ウォン)を使っているが、来年の観光客は、今年の半分の水準である600万〜700万人に減少するものと予想している。
▲反政府—親政府デモ隊の衝突を憂慮〓AFP通信は、「反政府デモを率いている国民民主主義連帯(PAD)関係者たちが、3ヵ月間占拠していた首相府を離れ、スワンナプーム空港とトンムアン空港に集結している」と報じた。PAD側は先月30日、爆発事故で約50人が負傷するなど、首相府に対する攻撃が続き、移動を決定したと伝えた。
空港を占拠しているPADは同日、スワンナプーム空港に残っていた88機の航空機のうち、37機の離陸を許可したが、乗客は搭乗させなかったと、外国メディアは伝えた。
一方、親政府団体である独裁抵抗民主主義連合戦線(UDD)関係者など約1万5000人は、バンコク市庁をはじめ、市内のあちこちで2日間デモを起こした。特に彼らは、2日に予定されたタイ憲法裁判所の連立与党選挙法の判決を前に、憲法裁を封鎖する動きを見せており、PAD側との流血衝突も排除できない状況だ。
myzodan@donga.com






