北朝鮮も秋の収穫真っ盛りの時期だが、住民たちは収獲の喜びを味わうことができない。北朝鮮人権団体「良き友」によると、党が「収穫した穀物のうち3〜5ヵ月分だけを農民に分配し、残りは軍糧米として納めよ」と指示したためだ。
世界食糧計画(WFP)は23日、「国際社会の緊急支援がなければ、咸境北道(ハムギョンプクト)と両江道(ヤンガンド)全域、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の一部地域の食糧難が、『人道主義的非常事態』に進むだろう」と明らかにした。WFPは5月にも、同地域の53の郡を調査した結果、「慢性的食糧難」の段階を越えて、「深刻な食糧・生計危機」に陥っているとし、緊急支援を呼びかけている。WFP基準で、「人道主義的非常事態」は、「深刻な食糧・生計危機」よりも深刻な飢餓状態だ。
来月半ばには、米政府の北朝鮮に対する支援食糧50万トンのうち10万トンが到着するが、悪化に突き進む食糧危機は、なかなか解消されそうにない。そのうえ他の国々も、国際金融危機で、対外援助の削減の動きを見せている。北朝鮮は、米国のテロ支援国家指定リストから削除されたが、それだけで食糧難が解決される状況ではないのだ。
北朝鮮当局は、今より食糧難が深刻だったいわゆる「苦難の行軍」の時期(95〜97年)も耐えたとして、「自力更正」を住民たちに繰り返し求めているが、住民の心がその時とは違うという事実を知るべきだ。当時は、ほとんど皆が餓死の危機に追い込まれたが、今は食糧を持つ住民と持たない住民に分かれ、葛藤が深まっている。さらに、市場で富を蓄積したいわゆる「ドンチュ」たちが食糧を独占し、コメ価格の暴騰をあおいでおり、特権階層は、「苦難の行軍」に備えて、食糧の買いだめをしているという。
道は一つだけだ。核廃棄の2段階措置である核計画検証の約束を誠実に履行することで、国際社会の反北朝鮮世論を和らげ、米国および韓国との関係を改善することだ。北朝鮮は、「南北関係の全面的な遮断を含む重大決断」を云々し、韓国政府に10・4南北首脳合意を無条件で履行しろと迫っているが、これも核検証が完了してこそ論議できることなのだ。






