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[オピニオン]張美蘭と美蘭ちゃん

Posted August. 18, 2008 06:46,   

「破天荒!」。MBCテレビは女子重量挙げの張美蘭(チャン・ミラン)選手(25=高陽市役所)が北京五輪で世界新記録で金メダルを獲得すると、このような字幕を流した。破天荒は元々、天地開闢以前の混沌としている状態を破るという意味で、誰にもできなかったことを成功した時に使う言葉だ。MBCがこのような表現を動員するほど、張選手の闘魂と記録は大変なことだった。

◆張選手にはよく「女子ヘラクレス」「世界で一番力持ちの女」という言葉が付きまとう。しかし、重量挙げがただ力だけを使うスポーツだと思ったら、それは大きな思い違いだ。張選手は優勝直後、「体育科学研究院(KISS)の比較分析とアドバイスが大きく役立った。間違えた習慣を知るのと知らないのとでは天と地の違いだった」と打ち明けた。張選手は06年世界選手権大会で優勝した時までもバーベルを持ち上げる動作が不自然だった。KISSはEMG(筋伝道分析法)で筋肉活動を分析した結果、原因が脚の筋肉の左右不均衡であることが分かった。張選手の力と意志にKISSの科学が結びついていなかったら、北京の破天荒も生まれなかったかも知れない。

◆しかし、玉にキズと言おうか。中継放送中にMBC解説委員のアン・ヒョジャク重量挙げ協会専務の張選手の呼び方はどうしても耳に障る。同氏は解説をしながら、最初は「張美蘭選手」ときちんと「選手」を付けていたが、終盤になると、「張美蘭が…」「美蘭ちゃんが…」と、私席で言わんばかりの呼び方を連発した。選手らの名前を呼び捨てる体育界の慣行は今日始まったことではないが、だからと言っても、張選手に向けられた国民の尊敬と歓呼を認識していたら、気を使うべきだった。男子重量上げの金メダリストの史載赫(サ・ジェヒョク、23、江原道庁)が張美蘭選手を「お兄様」と呼んでいるとはいえ、それは後輩として大いに愛嬌の入り交ざった呼び方であろう。

◆国内の新聞も芸能人や運動選手は「氏」を付けずに名前だけを使うのを原則にしている。活字媒体としての特性もあり、読者らの現実的な語感にも合わないためだが、公式の場での呼び方は違わなければならない。選手と監督、先輩と後輩の間の絆が特に強調される分野がスポーツではあるが、これからでも張美蘭選手を作り出したスポーツ科学水準の呼び方の文化が定着されることを望む。

金昌赫(キム・チャンヒョク)論説委員 chang@donga.com