全国民主労働組合総連盟(民主労総)が5日、米国産牛肉の輸入再開を理由に、全面ストのための組合員の賛否投票を行うことを決めたのは、企業に友好的な李明博(イ・ミョンバク)政府が追い詰められている現状で、公共部門の改革や非正規職法の改正など、さまざまな労働懸案における主導権確保のための戦略と解釈される。
一部では盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の失政で、大統領選挙や総選挙を経て急激に勢力が弱まっていた汎左派陣営が、米国産牛肉にかこつけて、再び結集し、再起に乗り出しているという分析も出ている。
財界では、政府が労働界の強行闘争に押されて、法律や原則に則って立ち向かわなければ、前の政権のように、今後さまざまな労使問題において、「不法スト→政府の仲裁→組合要求の受け入れ」の悪循環が繰り返されかねないとの懸念が広がっている。
●民主労総、「今月末〜7月初頭に全面闘争」
民主労総が全面ストの賛否を問う投票に乗り出した背景には、李錫行(イ・ソクヘン)民主労総委員長が同日、在韓欧州商工会議所(EUCCK)の招聘懇談会で行った発言から、その一端を読み取ることができる。
李委員長は、「民主労総も変わるべきだと思い、話し合いを重視したものの、政府や企業界ではかえって壁を作って会話を拒否し、無力化させると脅迫してきたため、労使、労政関係が悪化しているのだ」と主張した。
また「政府の政策は1%の財閥のための企業経営式の市場独裁だ」と述べ、「今月末から7月初頭にかけて、ストを含めた全面闘争を行うつもりだ」と話した。
財界からは、盧武鉉政府の時とは違い、李明博政府に入って労働界、とりわけ民主労総のプレゼンスが弱まると、牛肉輸入の再開問題で悪化した政府への世論に便乗して、全面ストに乗り出し、有利な立場を占める戦略だという分析が出ている。
民主労総はこれを通じて現代(ヒョンデ)自動車などの4つの完成車メーカーと行っている産業別交渉体制をすべての分野に拡大し、新政府が推進している公共部門の構造改革を阻止しようという狙いがあるものと、財界では見ている。
これと共に、非正規職法の改正や10年から実施する複数の労組窓口の一本化および労組専従者への賃金支払い禁止の猶予など、さまざまな労働懸案においても主導権を行使するというのが、民主労総の腹案だ。
●財界、「政治ストはだめ」
民主労総のこのような動きに、財界ではただでさえ厳しい経済に水をかけるものだと、懸念を表明している。
韓国貿易協会国際貿易研究院のチョン・ジェファ通商研究室長は、「外国人が韓国への投資を嫌う理由の一つが労組の激しいストだが、民主労総が米国産牛肉の輸入再開を理由に、全面ストの賛否投票を行うのは、外国人の投資意欲を殺ぐ、さらなる要因となるだろう」と指摘した。
民主労総が政治的な理由でストを行うのは、不法の可能性が高いという指摘も出ている。
朴宗男(パク・ジョンナム)大韓商工会議所調査2本部長は、「民主労総が本気で労使関係を考えるなら、政治ストを行ってはいけない」と述べ、「労働問題と関連のない国家間の交渉問題から手を引くべきだ」と話した。
民主労総のストへの結集力については意見が食い違っている。李錫行委員長は当初、反政府世論がピークに達した時、ストを行えば闘争効果を最大化できるとし、同日、全面ストを行う案を推進したものの、ストへの結集力の不在などの理由で、通すことができなかったという。
李東應(イ・ドンウン)韓国経営者総協会専務は、「民主労総が全面ストに突入しても参加する組合員はあまりおらず、街頭での闘争に止まる可能性が少なくないという見方も出ている」と伝えた。
経済界では03年、斗山(トゥサン)重工業のときのストライキ闘争を思い浮かべ、政府が原則に則った対応をとることを強調している。
当時、政府は労働部長官が直接現場まで出向き、労組の要求をほとんど受け入れる方向でストを仲裁し、労働界からの期待を大幅に高め、それ以後、不法ストの悪循環を招いたという指摘が出ている。
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