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[オピニオン]漢江の底を探る米軍

Posted May. 22, 2008 09:05,   

ハワイの米軍太平洋司令部の隷下に「戦争捕虜および失踪者確認のための合同司令部(JPAC)」という特殊部隊がある。03年10月、ハワイにあるヒッカム空軍基地内で創設された。第2次大戦、韓国戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などで戦死または行方不明になった米軍の遺骸を捜すのが任務だ。18の発掘チームに約400人が活動している。彼らは米軍の遺骸がありそうな所はどこにも駆けつける。「祖国はあなたを忘れない(You are not forgotten)」「彼らが帰ってくるまで(Until they are home)」をモットーにしている。

◆米軍遺骸発掘チームは、JPACが発足する前の1996年から北朝鮮にも入った。1951年の1・4後退直前、中共軍との激戦地だった平安北道雲山(ピョンアンブクド・ウンサン)と咸鏡南道(ハムギョンナムド)蓋馬(ゲマ)高原の長津(チャンジン)湖周辺の発掘作業が代表的だ。米軍と北朝鮮軍の合同作業だった。一部の北朝鮮の軍人は、ジーパンを履いてナイキの帽子をかぶった姿で目撃されたりもした。米軍は05年5月、作業を中断するまで220体ぐらいを発掘した。その見返りとして、北朝鮮は年平均200万ドル(約20億ウォン)を手に入れた。核問題で対立していた時代、米朝の舞台裏での姿だった。

◆JPAC要員が今度は、ソウル漢江(ハンガン)のパムソム〜堂山(タンサン)鉄橋周辺に現れた。おととい、ゴムボートに乗った水中探査チームが水深8メートル下へもぐっていた。1950年9月、仁川(インチョン)上陸作戦およびソウル修復当時墜落したF−7F戦闘機の操縦士の遺骸を捜すために、漢江の底を探ったのである。58年前の跡が残っているかどうか疑問であるが、彼らは真剣だった。水中音波探知機(SONAR)と金属探知機、衛生位置確認システム(GPS)などを動員し、30日まで漢江の探査を続ける予定だ。

◆韓国戦争以後、漢江は数回の大洪水や、1982〜86年の総合開発事業および浚渫作業などによって相当変わった。このため、米軍の遺骸発掘が成功する可能性は極めて低いと見られる。それにも関わらず、国のために犠牲となった将兵の遺骸を必ず探し出し、本国の国立墓地に安葬するという米国政府の意志は挫かれない。それがまさに将兵らに自由と平和を守るための献身と愛国心を要求できる米国の力だ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com